阪神・村上MVP 「トレードで出されたい」弱気発言から1年 語った言葉は
「NPB AWARDS 2023 supported by リポビタンD」(28日、都内)
阪神・村上頌樹投手(25)が史上3人目、セ・リーグでは初となる最優秀選手(MVP)&最優秀新人をダブル受賞した。最優秀防御率のタイトルも加え“3冠”となった右腕は、会見場で同席したパ・リーグMVPのオリックス・山本に引けを取らない投手となることを誓った。
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4月22日・中日戦。村上がプロ初勝利を挙げた日の原稿に、こう書いた。
「『もし他のチームやったら…』。あまりにも弱気な言葉がこぼれたのはちょうど1年前の4月。2軍では無双状態の村上が1軍へ呼ばれることはなかった」
実は、実際の冒頭のコメントはもっと“深刻”だった。「トレードで出されたい」-。層の厚い1軍投手陣を目の前に、心を支配した絶望感。自暴自棄になりかけていた。
あれから1年-。村上は「去年の自分やったら、1軍に上がれないのは当然」と言う。どん底からはい上がった今、栄光の舞台で力強い覚悟を口にした。
「1年だけじゃなくて、複数年、結果を残せないと意味がない。厳しい世界なので、しっかり自分の居場所を位置づけできるようにやっていきたい」
環境を言い訳にしていた弱気な言葉はもうない。自らの手で、猛虎に欠かせぬ立場を築き上げる。(デイリースポーツ阪神担当・間宮涼)