阪神〝赤星塾〟で走塁改革 中野の盗塁成功率向上&森下30盗塁「十分チャンスある」
来年2月の阪神春季キャンプで2年連続の臨時コーチを務める赤星憲広氏(47)が29日、中野と森下を“強化選手”に指名した。中野は盗塁成功率向上を課題に挙げ、サインが出た直後の球でスタートを切る「ディスボール」でも走れるコツを伝える方針を示した。
通算381盗塁のスペシャリストが、球団史上初の連覇へ尽力する。赤星氏がまず言及したのは中野の盗塁成功率だった。
「サインで走るとなるとやっぱり間違いなく機会が減るので。減るのは分かっていたんですけど、中野の成功率とかはかなり落ちてるんですよね」
今季、中野の盗塁企図数は32回で20盗塁、成功率・625。22年は成功率・767(企図数30で23盗塁)、盗塁王を獲得した21年は成功率・938(企図数32で30盗塁)と、その差は明らかだった。
阪神の盗塁は、矢野前監督時代は走者の判断でスタートを切る「グリーンライト」だったが、岡田監督はサインが出た直後にスタートを切る「ディスボール」だった。赤星氏はこの点について「行ける選手、行けない選手の差がある」と説明した。
今季の中野の盗塁シーンを回想しながら「ディスボールが出た時どうやって走らなきゃいけないのかを話していかなきゃいけない」。現役時代に5年連続盗塁王を獲得した技術を惜しみなく伝授していくつもりだ。
森下には飛躍を期待した。今春キャンプはドラ1ルーキーが具志川組だったため、直接走塁の指導をすることはなかった。
ただ、今季は盗塁企図数1回で1盗塁ながら潜在能力を感じ取っており、「脚力があるので、(30盗塁は)十分チャンスあると思うんですよ」と期待を寄せる。「打率3割、30本塁打、30盗塁」トリプルスリーの可能性についても「可能性としてはね」と否定することはなかった。
今季終盤は1番・近本、2番・中野に次ぐ3番を担った森下に、盗塁技術が備われば相手にとって脅威の上位打線となる。赤星氏の指導にかかる期待は大きい。