阪神・近本 3年連続GG賞!球団外野手では赤星以来 守備率10割も謙遜「ファインプレー少ない」
「第52回三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式が30日、東京都内で行われ、セ・リーグの外野手部門で3年連続3度目の受賞となった阪神の近本光司外野手(29)は「ファインプレーが少ない」と自らの守備に“ダメ出し”。今季は守備位置を前方に移していたことを明かし、さらなる進化の可能性を漂わせた。阪神からは捕手部門・坂本、一塁手部門・大山、二塁手部門・中野、遊撃手部門・木浪を含めて5選手が受賞した。
名手の第一声は意外なものだった。「ファインプレーが少ないですね。特に『これ』っていうプレーがあまり思い浮かばない。まあ、捕れるボールをしっかり捕れたっていうのは良かったです」。近本はいつものように、独特の言い回しで今季の守備を振り返った。
本人は謙遜を交えるが、今季も印象深い守備は多々あった。7月2日の巨人戦(東京ド)では右脇腹付近に死球を受けて倒れ込んだ直後の守備で、左中間への大飛球を快足を飛ばして好捕。フェンスにぶつかってもボールを放さなかった。後に判明する肋骨骨折を押しての懸命な守備は、誰もが認める「ファインプレー」だろう。
だからこそ両リーグ最多287票を集めた。自身初となる守備率10割は両リーグの外野手でただ一人。「バッティングより守備の方が僕は大事かなと思っている。でもバッティングがないと生きていけない世界。でも勝ち負けは守備が大事かな」と守備に対する妥協なき信念を明かした。
6年目を迎える来季。守備面でまだ“伸びしろ”はあるのか。近本は約15秒間の沈黙の後「どこだろうね」と笑って、今季は守備位置をやや前方に移していたことを明かした。守備範囲を広げたいという単純な狙いだけではない。「自分の可能性を信じて。後ろは大丈夫、捕れるっていうふうに思っていた」。自分にはまだ進化の余地が残されている。誰よりも近本自身がそれを信じている。
阪神の外野手で3年連続受賞は、03年から4年連続で受賞した赤星憲広以来。最長は新庄剛志の5年連続となる。「連続して取れたことが良かった」と連続受賞に意義を見いだす切り込み隊長。来季以降は“赤星超え”“新庄超え”に照準を定めていくことになる。
◆阪神外野手の3年以上連続GG賞 1972年の制定(72~85年までの名称はダイヤモンドグラブ賞)以降、阪神外野手が3年以上連続でゴールデングラブ賞を受賞したのは新庄剛志(96~00年=5年連続)、赤星憲広(03~06年=4年連続)、近本光司(21~23年=3年連続)の3人。また最多受賞回数は新庄の7度となる。