流行語大賞「アレ(A.R.E.)」に決定 阪神・岡田監督が受賞挨拶 秘話明かす「もう少しで、というのが加味されている」 発案は奥さん「すごいなと」
今年を代表する言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」の発表・表彰式が1日、東京都内で行われ、阪神の岡田彰布監督(65)が今季のチームスローガンとして優勝の意味に置き換えて使い続けた「アレ(A.R.E.)」が年間大賞に輝いた。指揮官はこの日、ストライプのタテジマシャツに黄色のネクタイというタイガーススタイルで登場した。
岡田監督の受賞挨拶は次の通り。
「ちょうど1年前なんですけど、15年ぶりにタイガースのユニホームを着て、18年も優勝してないチームが『優勝、優勝』と言うな、プレッシャーもかかる。これはオリックスの時も言ったんですけど、オリックスの時はあんまりインパクトなかったですね。やっぱりタイガースはすごいインパクトがあって、本当はそうなんですけど、プレッシャーをはねのけるために『アレ』と言ったんだけど、本当はもう一つあるんですけど、近くにある『これを取って』は手に届くんだけど、『あちら』と言うと遠い感じがする。タイガースはこの3、4年ずっと2位、3位をいってたけど、もう少しで優勝というか、ほんとそこまでいっているのに最終的には最後負けてしまう。そういう意味では『アレ』というのは、もう少しで何かにたどり着くというか、もう少しと言うのが加味されると思うんで、これはプレッシャーがかからない言葉と、『アレ』にしたらちょうどいいかなとスタートしたんですけど、チームが勝つこと、野球は団体競技なので、一人でできないんで、みんなの力で勝つことによって、ほんと関西では新聞、マスコミでも毎日『アレ』という言葉を発してもらいまして、そのおかげで想像以上の反響を浴びたという、その結果、優勝、そして38年ぶりの優勝、日本一ということで、そういう結果がこういう賞に結び付いたと思うんですけど。とにかく関西は盛り上がりましたし、スポーツ界も今年はすごく盛り上がったので、それに少しでも貢献できて、ほんと良かったと思います。本当にこういう受賞ありがとうございます」
-「アレ」はオリックス時代に使い始めた
「あれは交流戦の優勝だったんです。オリックスも阪神大震災の時、僕はオリックスで優勝を体験したんですけど、15年間くらい優勝がなかったんですね。なんか選手がなんか優勝のプレッシャーというかね、ゲームが落ち着かないというか、そわそわしているようなゲームが続いていたんで、後半はもう優勝と言うな『アレ』にしようと言ったんですけどね、オリックスではそんなにインパクトなかったですね(笑)そんな話題にならなかったので」
-「アレ」を英語で表現
「いろいろあったんですけどね、最終的には自分の嫁さんが考えたというか、ちょっとアレンジしてね、一番喜んだのは阪神OBで、尊敬というのを入れることでOBの人にめちゃくちゃ喜んでもらいましたね」
-奥様のパワー
「そうです。ちょっとアレンジしたんですけどね。まあ、僕もすごいなと思いました」
「アレ」は阪神が18年ぶりのリーグ優勝を達成したことで関西を中心に浸透。オリックス監督時代の2010年の交流戦中に選手が優勝を意識しすぎないように使い始めた。選評では「岡田監督の言葉は人を動かす。本質を突いた飾らない昭和の野球人的な率直な話ぶりに、タイガースファンはすぐさま反応。『そら○○』タオルを振って球場を盛り立てた」などと評された。