【阪神ドラフト選手特集・山田脩也内野手(2)】打撃よりも守備が好き 地元で有名な野球少年

 U-18日本代表でプレーする山田
 仙台東部リトルシニア時代の山田(家族提供)
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 10月のドラフト会議で、阪神から指名を受けた8選手(1~6位・育成1~2位)の連載企画。ドラフト3位・山田脩也内野手(18)=仙台育英=の第2回。

  ◇  ◇

 打撃よりも守備が好きだった。小学生の頃から「暇があれば、よく守備の動画を見ていました。スーパープレー集や海外の小中学生のグラブハンドリングの動画を見て、それをマネするのが得意でした」と父浩二さん(45)は語る。山田も「特に理由はないですが、守備をやっている方が楽しいなと感じていました。今宮(健太)選手の動画を見たり」と記憶をたぐり寄せた。

 中学へ進む頃には、地元では有名な野球少年となっていた。兄も在籍した仙台東部リトルシニアで山田を指導した大橋正樹監督(53)は「(走攻守)三拍子そろっていましたが中でも守備が一番でした。(捕球時の)ボールへの入り方は天性のものを感じました」と振り返った。技術に関して「変える必要がなかった」という大橋監督は、野球から離れた学校生活の大切さを説いた。

 「周りは小学校の時に野球で日本代表だったと知っていましたが、それを自慢するような姿は見たことがなかった」。南吉成中で3年時の担任を務めた舛井文弥教諭(37)は当時を思い出す。ただ、野球の才能は隠しようがなかった。体育のソフトボールで遊撃を守ると、崩れた体勢から目の覚めるような送球を見せた。舛井教諭は「球の軌道が明らかに違った」と、山田の強肩を懐かしがった。

 2020年。中学生活最後の年をコロナ禍が襲った。春先は休校を余儀なくされ、練習や試合どころではなかった。もどかしさを抱えながらも、素振りやランニングなどで地道に努力を積み上げた。

 コロナ禍と無関係ではなかったかもしれないが、当時は山田にとって「なぜかイライラが止まらない時期」だった。両親から何か言われるたびに「未熟だったので、よく短気になっていた」という。心身のバランスが崩れやすい年頃でもある。舛井教諭は「心の充電期間」と見守った。山田も「寄り添ってくれた」と今も感謝する。

 「何でも話せる存在」という舛井教諭とは今も連絡を取り合う。阪神から指名を受けた後も食事を共にし、考案中というサインも相談した。多感な時期に恩師が確かな“道しるべ”となり、山田は仙台育英でさらなる飛躍を遂げていく。

 ◆山田 脩也(やまだ・しゅうや)2005年8月20日生まれ、18歳。宮城県仙台市出身。177センチ、71キロ。右投げ右打ち。内野手(主に遊撃手)。小学校1年次からリトルリーグ荒町タイガースで野球を始め、仙台東部リトルシニアを経て仙台育英に進学。2年夏に甲子園で優勝、3年夏は準優勝。U-18日本代表では世界一に貢献した。50メートル走6秒2、遠投100メートル。家族構成は父、母、兄、姉2人。

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