阪神が現役ドラフトでオリックス・漆原を獲得 岡田監督狙い通り「迷わず」パ投手取り
出場機会に恵まれない選手救済の「現役ドラフト」が8日、非公開で開催され、阪神はオリックスから漆原大晟投手(27)を獲得した。甲子園からリモートで参加した岡田彰布監督(66)はパ・リーグの右投手を狙っていたことを明かし、漆原の獲得を喜んだ。漆原は舞洲で取材に応じ、現役ドラフトで加入し、今季新天地で12勝を挙げた大竹に続くブレークを誓った。
アレンパを狙う虎に新たな剛腕が加わる。今回の現役ドラフトも大当たりの予感。岡田監督は満足顔で甲子園の駐車場に現れ、漆原への期待を口にした。
「中継ぎになってからね、すごく良かったというのは聞いていたし、もうある程度、迷わずしてな。普通通りうまいこといったから良かったと思うけど」
リモートで参加した同ドラフトは思惑通りに進んだ。「馬場やったらすぐ上の方で、いくんとちゃうかな」。岡田監督の予想はズバリ的中。「左はいらんかった(笑)。(セ・リーグ打者が)分からん方がいいに決まってる」。セの打者と対戦が少ないパ・リーグの投手に狙いを定め、漆原の獲得に成功した。
「150キロ近く出るしな。変化球とか課題はあるけど、こっちで直して克服していけばいいことだし、それは」
昨年の同ドラフトでソフトバンクから加入した大竹は2年間未勝利から、今季12勝をマーク。21年に抑えを任された漆原もここ2年は山崎颯、宇田川の台頭に押されていたが、新天地で花が開く可能性は十分にある。
「すごい強力な投手陣のチームから声をかけていただいた。何とか食い込んでいけるように、リーグ優勝などに貢献できるように頑張りたい。自分の強みはストレート。そこをアピールしていけたら良いなと思います」
舞洲で取材に応じた漆原は新天地へ思いをはせた。“岡田野球”にも興味津々。「就任1年目でリーグ優勝、日本一にされた監督。一つでも多く吸収できたら」。虎には新潟医療福祉大の3年後輩・桐敷も在籍。大竹の活躍にも刺激を受け「僕も続けるように、もう一回気持ち新たに」と新天地での活躍を誓った。
リーグ連覇へ、岡田監督はかねて新戦力の重要性を説いてきた。漆原の潜在能力を引き出すことができれば、中継ぎの競争はさらに激しくなりそうだ。
◆漆原 大晟(うるしはら・たいせい)1996年9月10日生まれ、27歳。新潟県出身。182センチ、85キロ。右投げ左打ち。投手。新潟明訓から新潟医療福祉大を経て、2018年度育成ドラフト1位でオリックス入団。プロ1年目の19年は23セーブでウエスタン・リーグの最多セーブ。20年2月に支配下登録。同年8月23日・西武戦でプロ初登板初セーブ。リリーフで力を発揮し21年は登板34試合。