阪神24年スローガンにも内助の功 実は別の言葉が候補、岡田監督が明かす 継続なら「GOES ON」陽子夫人の考え反映
取材現場の舞台裏を描く新企画「記者が見た スポットライトの裏側」。今回は阪神の2024年チームスローガン「A.R.E. GOES ON」について。史上初の連覇を目指す球団の「旗印」だが、実は違ったフレーズに決まりかけていたと岡田彰布監督(66)が明かした。
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初の連覇を狙う今季のスローガンは「A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーず おん)」に決まった。18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一を達成した昨季。その戦いを続けていくという確固たる意思を込め、「A.R.E.」に「継続」を意味する「GOES ON」を付け加えた。
「優勝して日本一になって変える必要ないよ。変えておかしくなるのも嫌やしのう。気持ちは一緒ということよな」。岡田監督も満足そうにうなずいていたが、実は別の言葉が候補に残っていたという。
「嫁さんが変えよったわ。あれ『GOING ON』やったんや」
当初は「GOES ON」ではなく「GOING ON」だったが、英語に堪能な陽子夫人に相談したところ、「継続」なら「GOES ON」の方が適切ではないかとの指摘もあって、最終的に「GOES ON」に決まったという。
昨年の新語・流行語大賞にも輝いた「A.R.E.」にも陽子夫人の考えが反映されていた。広告代理店に勤務する妹と話し合い、Aは「Aim(目標に向かう)」、Rは「Respect(敬う)」、Eは「Empower(力をつける)」と、それぞれの頭文字に英単語を割り当てて意味を持たせた。
陽子夫人は「主人が考えている野球がどんなものかといろいろ考えて」と経緯を振り返った。特に先達への敬意を意味する「Respect」については、球団OBの吉田義男氏から喜びとともに感謝も伝えられたという。岡田監督も「(夫人は)すごいなと思った」と内助の功に感謝しきりだった。
「日本一なったから『また来年も日本一』じゃなしに、まずやっぱりリーグ優勝。それが初めての連覇だからね、球団にとってね」と足元を見据え、「(必要なものは)プラスアルファの肉付けやろ。継続してちょっとずつ上積みしていく。もっと上のレベルに持っていかなあかんいうことやろな」と力を込めた。「継続は力なり」。使い古されても色あせることのない真理。偉業に挑む1年が始まった。(デイリースポーツ・山本直弘)