阪神の佐藤輝明内野手（２４）が８日、奈良県生駒市の母校・近大の硬式野球部グラウンドで自主トレを公開した。

　近大野球部の田中秀昌前監督（６６）が、佐藤輝の自主トレを見守り、愛情たっぷりのゲキを飛ばした。昨季まで３年連続２０本塁打をクリアしているが、恩師の目には物足りなく映っている。「彼のポテンシャルはもっともっとあると思う。ゆくゆくはホームラン王を取ってほしいし、チャンスに強い選手になってくれたらいい」。昨季は２４本塁打。プロ４年目へ、初のタイトル獲得に期待を寄せた。

　覚醒の予感がある。この日、１年ぶりに再会した佐藤輝は自主トレ開始１０分前に到着。その姿に田中前監督は目を丸くした。「人として成長したのかな。去年もちょっと遅刻したような気がするんですよ。その前もちょっとズレたんじゃないかなと。今日はびっくりしました」。マイペースな教え子の変化に驚きを隠せなかった。

　恩師がターニングポイントに挙げたのは昨年６月の２軍降格だ。岡田監督は試合や練習に臨む態度を問題視。２年ぶりのファーム行きを命じた。田中前監督は「岡田監督、平田ヘッドコーチの元でやるのが彼にとってはいい」と感謝している。

　「打撃不振だけじゃなくて、レギュラーとしての立ち居振る舞いから見直せという意味で落とされたんかなと想像していた。そういうことを経て彼は後半に非常に活躍して優勝に貢献した。いい方向にいってくれたら」。潜在能力の高さは誰より知っている。恩師はフルシーズンの活躍を願ってやまない。