阪神の坂本誠志郎捕手（３０）が１１日、甲子園球場で自主トレを公開した。２１、２２年は当時オリックスの能見らと沖縄で、２３年はヤクルトの中村らと合同自主トレを行っていたが、今年は単独トレを選択。キャリアハイ更新のため、己と向き合うことに決めた。

　甲子園球場の外野を１人で黙々と走り、アルプス席の階段も１人で駆け上がった。覚悟の孤独トレ。「１人でできないとプロ野球の世界はなかなかやっていけない」。自分で自分を追い込み、己に打ち勝つ。あえて、言い訳できない環境を作り上げた。

　思い出したのは、新人時代の掛布２軍監督の言葉。「１人で強くなれ」。昨季はリーグ優勝と日本一を経験。今季は連覇を期待されるだけに、重圧や不安も日に日に増しているという。そんな心情を消すためにも「もうやるしかない」と腹をくくった。

　昨季は梅野の故障もあり、キャリアハイの８４試合に出場した。今季の個人目標を数字で表すことはしない。それでも、これだけは言い切った。「もっと試合に出たい」。そのためにも、全ての面でレベルアップが必要だ。

　自身初の開幕マスクも狙う。そして、最大の目標は連覇。「とにかく前に前に。もっと成長したい」。梅野との争いに勝ち、女房役をつかみ取る。