阪神・湯浅 米国仕込み新フォームで守護神奪取へ 「フル回転」で信頼取り戻す「やるからにはセーブ王」
阪神・湯浅京己投手(24)が22日、大阪・堺市内で自主トレを公開した。今オフ2度の渡米で行った投球動作解析を生かした新フォームで、力強い投球を披露。完全燃焼のシーズンとするべく、米国武者修行の成果の一端をのぞかせた。昨季最多セーブのタイトルを獲得した岩崎に挑む、守護神争いへのぶれない思いも改めて吐露して、セーブ王獲りに照準を合わせた。
米国でつかんだ自信が言葉に表れた。完全復帰を期す今季の目標として、長考の末に湯浅が色紙にしたためたのは「フル回転」。ケガに泣かされ続けた昨季を踏まえ、「シーズンを通してしっかり自分の力を発揮できるように」と気合を込めた。その上で狙いたいタイトルを、「やるからには、やっぱりセーブ王を取りたいです」と明言。昨季開幕当初は任されながらも、譲り渡したクローザーのポジションへの思いは強い。
チームには昨季のセーブ王・岩崎が君臨。挑戦者の立場となるが、「簡単に譲ってもらう気はないです。ザキさんがそれぐらい(譲らないと)言ってくれてる方が、自分もやりやすい。だからこそアピールしないといけない」と闘争心に着火した。
逆襲への第一歩となったのが、2カ月連続での渡米。今月は9日に出国し、最初の3日間を動作解析に充て、その後トレーニングに励んだ。20日に帰国したばかりだが、時差ぼけを感じさせることなく、解析データを基にした新フォームを早速お披露目した。
元々、腕の使い方は小さくショートアーム気味だったが、さらにコンパクトにしてテイクバックを狭めた。昨季は右前腕の張りで長期離脱となっただけに、「腕の回し方とか、トップへの持って行き方はちょっと変えました。腕への負担が減りますし」と説明。同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかず、ケガ防止へ余念はない。
下半身にも改良を加え、上げた左足を止めずに投球するフォームに変更した。「もっと力が伝わりやすいように。一連の動作でいった方が力が出やすいので」と狙いは明確。米国滞在中のブルペンで、「軽く投げて、スピードが出てました。こんな出てるんや、という感じ」と効果を実感した。この日の自主トレでもマウンドから立たせた捕手へ11球投げ込んで、迫力伝わる捕球音を響かせた。
10日後にはいよいよ春季キャンプが始まる。初実戦として2月11、12日に予定されている紅白戦も視野に、「もちろんアピールする立場。自分の持ってるものをしっかりブルペンから投げられれば」と意欲十分。“アメリカ仕込み”のフォームで信頼を取り戻し、守護神奪還も成し遂げる。