阪神新助っ投 名前はゲラだけど“笑わない男” 鉄仮面貫く仕事人 ダル直伝スライダーも自信アリ
“笑わない男”が虎の連覇に貢献する!阪神の新助っ人、ハビー・ゲラ投手(28)=前レイズ=が29日、兵庫県西宮市内の球団事務所で入団会見に臨み、シーズンのフル稼働を宣言した。セットアッパー、クローザー候補となる最速164キロ右腕。米大リーグ・パドレスのダルビッシュから直伝されたスライダーを武器に、目の前の打者をねじ伏せる。
この日も少しだけ、ニヤリと笑っただけだった。ゲラにとって新天地で初仕事となる入団会見。前だけを見据え、隙は与えない。名前は“ゲラ”だが、マウンド上で笑うことはない。
関西弁でゲラが笑い上戸の意味であることを伝えられた上で、マウンドでもポーカーフェースを貫くかを問われると「いつも同じような感情で投げたい。勝っているときはチームを勢いづけるという感情を出すときもあるかもしれないが、基本的には落ち着いていると思います」。ここでも真剣な表情で答えてみせた。
パナマ出身で2019年に遊撃手から投手へ転向。投手歴5年ながら米大リーグでは通算61試合に登板し、5ホールドを記録した。ブルペンの中心として期待される右腕は「自分が必要とされるところで100%の準備をして活躍したい。毎日でもいける準備をして、チームのためになればと思う」と、勝利のためにはハードな連投もいとわない覚悟だ。
最速164キロの直球に鋭く曲がるシンカー、スライダーが武器。「ダルビッシュ選手の試合はよく見ていた。アドバイスもよくもらったね。(変化球の)握り方の話をよくしていた。『こうやったらスライダーがよく曲がるよ』とかっていう」と、パドレス時代にはチームメートだったダルビッシュから助言を受けたことも明かした。
日本球界で結果を残すためにも、新たな武器を増やす。4番目となる新球の習得にも意欲を示し、すでにイメージはできている。「チェンジアップとかスプリット。自分はバッターだったので、バッターとしてスプリットやチェンジアップは嫌な球種だった。そこは投手としてまた覚えたいね」。打者としての経験も生かし、落ちる球種を覚えていく。
結局、会見では最後までほとんど緩んだ空気を出さなかった新助っ人。「2012年にボストン(レッドソックス)と契約したときにプロフェッショナルの規律を覚えた。野球場にいるときは、そういう姿勢を常に心がけている。楽しむときは全然楽しむけどね」と、またしても真顔で話した。「毎日100%の力を出すだけだね」。背番号00の“笑わない男”がV2の使者となる。
◆ハビー・ゲラ(Javier Guerra)1995年9月25日生まれ、28歳。パナマ出身。183センチ、84キロ。右投げ左打ち。投手。2012年にアマチュア・フリーエージェントでレッドソックスと契約。18年にパドレスでメジャーデビュー。当初は内野手でキャリアをスタートさせ19年に投手転向。23年はブルワーズとレイズでプレー。パナマ代表として23年WBC出場。