阪神・野口5連発含む69スイングで23発 岡田監督絶賛!外野争い「ええ勝負」 11日紅白戦に照準
「阪神春季キャンプ」(2日、宜野座)
レギュラー獲りへ猛アピールや!阪神・野口恭佑外野手(23)が2日、全体練習後の特打で柵越えを連発した。岡田監督が熱視線を送る中、打撃投手相手に69スイングで23発。5連発に加えて推定飛距離130メートルの特大弾も飛び出し、観客からは大歓声が起こった。今キャンプで初めてチェックした指揮官も天性の飛ばす能力を絶賛し、「ええ勝負できんちゃう?」と外野の定位置奪取への期待感を口にした。
日が陰り始めた宜野座の空を、目の覚めるような打球が切り裂いた。「おー!」「すごいな」「えぐい!」-。歓声がどんどん大きくなる。野口が球場中の視線をくぎ付けにした。
「きょうは真っすぐきれいな打球が打てたので良かったんじゃないかなと思います」
軽々としたスイングから放たれた打球は、いとも簡単に左翼フェンスを越えていった。打撃投手相手に徐々にギアを上げ、驚異の5連発も記録。左翼の芝生後方に突き刺す推定130メートルの特大弾も放った。並外れたパワーにスタンドからはどよめきの交じった歓声と拍手。ただ、秋季キャンプでも豪快弾で球場を沸かせていただけに「今日はあんまり(歓声を)気にせず打てた」と余裕の表情も浮かべた。
今キャンプで初めてチェックした岡田監督のハートもがっちりつかんだ。秋季キャンプでも野手MVPに選ぶなど評価していた指揮官は「遠くに飛ばす、なんか持ってる、それは教えるもんじゃないからなあ」と話し、「そら魅力や。持って生まれたいうか天性のもんやろな」と改めて絶賛。「線で(捉えるスイングで)打たんと、あんな上がらへんわ」とも分析した。
「小さい頃は重いバットで振ってて、振る力はその時からあった」と話す野口。特に飛距離が伸びるようになったのは九産大時代だといい、「ウエートトレーニングでパワーがついて体重が増えてだいぶ変わった」とパンチ力がついた理由を明かした。
指揮官はさらなる期待感も口にした。「なかなかええ勝負できんちゃう?右バッターやし」。求めている右打ちの外野手。外野は中堅の近本以外はレギュラーが決まっていない。野口も森下、ノイジーらを中心とした激しい両翼争いに割って入る可能性は十分だ。
他のライバルに「全員、いつも勉強になるので。意識がないことはないんですけど、いろんな人を見て自分にプラスにできたら」と“らしい”謙虚さを見せたが、もちろん燃える気持ちはある。
「いくら練習で打っても実戦で打てなかったら意味ないので。実戦で打てるようにしっかりやっていきたい」。11、12日の紅白戦や練習試合、オープン戦でどん欲にアピールしていく。天性の飛距離で、チャンスをモノにする。