阪神・前川 豪弾連発!佐藤輝超え27本、最長130メートル 下半身の使い方&トップの力みなくして飛距離アップ

 「阪神春季キャンプ」(4日、宜野座)

 阪神の前川右京外野手(20)が4日、佐藤輝明内野手(24)とのランチ特打で柵越えを量産した。67スイングで27本のアーチを描き、推定飛距離130メートルの豪快弾も放った。5連発に加え、3連発も2回とスタンドを大いに沸かせた。レギュラー取りを目指す高卒3年目の若き大砲候補に覚醒の予感が漂い始めた。

 快音が響くたびに観客が上空へと顔を向ける。雨上がりのじめっとした空気を切り裂き、白球は外野フェンスを悠々と越えていった。主役は前川右京。「感触はだいぶいい感じになってきてるかなと思います」。打球はピンポン球のように飛んでいった。

 佐藤輝との共演。昼食時にもかかわらず、席を立つ人はいなかった。まずは2球目にあいさつ代わりの一発。3、4球目も柵越えをかまし、どよめきが起こった。「(打球の)角度も自然と上がるようになってきてる」。打った瞬間、観客に打球直撃の危険を知らせる笛が鳴り響く。「ピーッ!」。それぐらい、会心の当たりを連発させた。

 この日は今キャンプ最多の8000人が詰めかけた。2日連続で右翼席も開放。今年新設された防球ネット、通称「AREネット」が大活躍した。16~20スイング目は5連発の花火。結局、67スイングで27の柵越え。ネットに14発が着弾し、13発はネットを越えた。

 なぜ、急激に飛距離が伸びたのか。2つの要因を挙げた。一つは下半身の使い方。「下半身を使って、打てるようになってきた」。昨季までは左足の小指に重心がかかることで力が逃げた。今オフは地元の三重県津市にある「みどりクリニック」でトレーニングに励み、左足の母指球に力を入れることを意識。その結果、球に力を伝えることができた。

 もう一つはトップの力みをなくすこと。「絶対に力みなしって言い聞かせながら、ボールを打ってるんで」。究極はインパクトの瞬間だけに力を加える気持ち。「2つの点が良くなってきてる」と自己分析した。

 岡田監督も打球角度には目を細める。「今の状態やったら、前川とか野口の方が(森下やノイジーより)いいもんな」。ただ、指揮官は練習と実戦は違うと指摘する。練習通りに実戦で結果を残せるかがカギを握る。

 ハイレベルな外野の定位置争い。当然、前川もアピールが求められる立場だが、「アピールというのは捨てている。普通にやりたいなと思ってるんで」と冷静だ。気負わずに自分に集中する。「普通にやったら大丈夫」と気持ちを抑え、無駄な力みをなくすようにしている。

 勝負の3年目。「一日一日を大切に自分と向き合っていきたい」。邪念を捨てて、理想の打撃にたどり着いた時、右京が覚醒を迎える。

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