阪神・大山 30歳シーズンさらなるレベルUPへ理想像語る「だいぶ勉強しましたね」「内野ゴロでも1点は入るので」
阪神の大山悠輔内野手(29)がデイリースポーツ評論家の狩野恵輔氏(41)と対談した。岡田監督からレギュラーを確約され、4番として球団史上初の連覇を目指す8年目。打点のバリエーションを増やすこと、チームの中心選手として背中で見せることなど今季に懸ける思いを語った。その2。
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(話題は打撃論に)
狩野「数字で言うと、99個の四球を取ったでしょ。四球を狙っちゃうとさ、ちょっとバットが出ないみたいな。そういうのない?」
大山「ないことはないですね。状況やカウントによっては、そのボールを捨てるという考えもありました。けど、基本的には打ちにいって、見逃すというのはずっとあった。それをしなくなったら、ダメだなというのはありましたね」
狩野「それで99ってすごいね」
大山「だいぶ勉強しましたね。配球面であったり、自分が今までどういう打ち取られ方をしてたかとか。このカウントになったら、こういうボールが多いんだなというのもデータで出てる。そういうのを一から見直して、そのカウントで自分なりに割り切っていた部分はあった。そこがうまくハマってたのが、去年だったのかなと思います」
狩野「強いて言うなら、どこを上げたい?」
大山「打点ですね」
狩野「100ぐらいいきたいよね」
大山「打点のバリエーションというか、そういうのをもっと増やしたいなというのはあります」
狩野「例えば?」
大山「もちろん本塁打や安打というのはあります。けど、犠牲フライであったり、セカンドゴロとか内野ゴロでも1点は入るので。そういう引き出しを持てば、いざチャンスの場面になった時、より冷静に入れるんじゃないかなというのはあるので。本塁打しかダメってなったら力みますし。ここは内野ゴロでもOKだなとなれば、全然違うと思うので」
狩野「調子いい時だけじゃないしね。打てないって思ったら、当てるだけでも打点入るしね。そこは意識しながら?」
大山「そういうバリエーションというのを、引き出しですね。もっともっと作っていけたらなと思いますね」
-昨季王者の4番でマークも厳しくなる。スタイルや意識は変えていくのか。
大山「それはもうその時ですね」
狩野「変える時と変えない時?」
大山「はい。自分の土台となるものはある。そこをどう自分でうまくやっていくかというのは、必要だと思います。全部が全部、自分の思い通りにはいかないので。時には変えていかないといけない時もありますし、空気の流れというのをもっと敏感に感じていきたいですね」
狩野「空気ね。その試合、試合のね。ファンからすると、ここ一番で空気を変える一打というのをすごい持ってる。サヨナラの時もそうだし、横田の追悼試合の時の本塁打とか、一気に流れを変えるというのは大山が持ってるから。流れを変えるというのは求めてるし、してほしいと思うね」
大山「そういう立場であったり、打順にいるというのはある。そこで打てば、流れも来ますし。そこで止めてしまったらチームも負けてしまう。そういうプレッシャーはあります」
狩野「でも、それを背負うのもだいぶ慣れてきたでしょ」
大山「いろいろ自分の中での引き出しができたので、前みたいにシャカリキにじゃなくて。ある意味、客観的に見られる自分っていうのもできてきた。冷静に入れる打席というのは増えてきたなと思います」
狩野「大山はまだまだというかもしれないけど、俺らが勝手に想像していたタイガースの4番というものに近づいてきたのかなと。でも、今年はまた違う意味で、いろんな人にいろんな角度から見られて大変だと思う。どうしましょう、今年は?」
大山「去年、優勝、日本一になって、それを続けることが大切だと思います。でも、それを続けることが本当に難しい。そのために、個人もチームももっともっとレベルアップというところで。いい競争もありますし、年齢がみんな近いというのもあるので」
◆大山 悠輔(おおやま・ゆうすけ)1994年12月19日生まれ、29歳。茨城県出身。181センチ、92キロ。右投げ右打ち。内野手。背番号3。今季推定年俸2億8000万円。つくば秀英から白鷗大を経て、16年度ドラフト1位で阪神入団。プロ1年目の17年6月23日・広島戦(マツダ)でプロ初出場(代打)。
◆狩野 恵輔(かのう・けいすけ)1982年12月17日生まれ、41歳。群馬県出身。現役時代は右投げ右打ちの捕手・外野手。前橋工から2000年度ドラフト3位で阪神入団。04年9月22日・広島戦(広島)でプロ初出場(代打)。07年4月20日・巨人戦(甲子園)でプロ初安打がサヨナラ打。17年現役引退。通算成績は402試合、200安打、18本塁打、91打点、打率・255。18年からデイリースポーツ評論家。