デイリースポーツ評論家で阪神の糸井嘉男ＳＡ（スペシャルアンバサダー、４２）と森下翔太外野手（２３）の対談が宜野座キャンプで実現した。２年目の進化を目指す森下は今オフから“ピート・ローズ型”の新バットを使用。新たな相棒の特徴や導入した狙いを糸井氏に余すことなく明かした。かなり特徴的なバットを、糸井氏が手に取ったところから始まった今対談。話題は“サインパクリ疑惑”の真相にまで及んだ。

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　糸井「去年までと全然違うバットだから、実戦で使うには使いこなせるようにならないとな」

　森下「そうですね。全然違いますからね。グリップだけでなくヘッドも違いますし。まずはシンプルに重くしたくて。去年までは８７０（グラム）ぐらいでもっと軽かった。このバットは９００ちょっとなので」

　糸井「３０グラム以上違うってことでしょ！？今はどんどん軽いのが主流になっていってるのに…人によっては８６０ぐらいの人も。これを自分のものにした時が、求めている体の使い方になるってこと？」

　森下「まずは打ち方を矯正するために。これをいい感じで振れるようになったら、もうちょい（グリップを）細くしようかなと。徐々に徐々にですけど、少しずつ（グリップを）削れるようになって、ヘッドの方がボーンと太くなってきたら、もっといいバットに完成すると思っています。自分の理想とするスイングができるようになればですけど」

　－キャンプ初日は岡田監督が「あの打ち方では打てん」と…。

　森下「オフの期間は投手の球をまだ打ってなかったので。そこの部分もありましたし、バット自体も変えたばっかだったので、合わない部分は多少あるんで。確かに良くはなかったですけど、自分としては初日としては“まあまあ、こんなもんでしょ”っていうふうには思ってたので。その後はもう一日一日ごとにずっと良くなってきてる。なんか１回落ちたとか“うわ、なんかとどまったな”っていう迷いとかもないです。どんどんどんどんステップアップしている手応えがありますから」

　糸井「やっぱオフシーズンからやってきたことをキャンプ通して明確に結果として出していきたいもん。初日がどうのこうのっていうのは別に考えへんよな。でも、完成にたどり着くのはいつごろをイメージしてるの？」

　森下「それはシーズン中かもしれないですし、シーズン終わってからかもしれないし…」

　糸井「まだ２年目。変えていこうとかは誰かの助言もあったん？」

　森下「基本的には教えてもらっている感じです。自分がそれこそ大学３年生の時に…結構１年生の時は良かったんですけど、高校から上がってドーンって活躍できて、ジャパン代表にも入れたんですけど。２年、３年って成績が全然出なくて。あーこれもう自分の感覚とか自分の知識だけじゃ、もう絶対に結果残せないし、プロ行けないなと思って、ある施設（トレーニング施設「Ｒｅｂａｓｅ」）に行って。そこで結構、座学とか解剖学とかに基づいた中で、野球の動きに転換していくっていうのをやっています」

　糸井「なるほどね。結局、体の使い方の話につながっていく。２年目ですごい！俺の２年目なんて野手に転向したてで、まだ赤ちゃんやったもん（笑）。知識も豊富やし、やるべきことを自分で分かってやっていると思う。やっぱり人それぞれ理論があるからね。それがなかったら長続きなんてできない。感覚だけじゃ絶対にできない。でもそれをプロ２年目でしっかり実践してるっていうのは…これはメジャー見据えてるね（笑）」

　森下「いやそれはもう、あの…最高峰のところなんで、行って活躍したいっていうのはあります。もともとメジャーのバッティングスタイルだったり、プレースタイルっていうのがすごい好きっていうのはあります」

　－２人は侍ジャパンを経験している。

　森下「そこへの意識ももちろんあります！やっぱり去年のＷＢＣで世界一獲ったのも見てたんで、そういうところでやりたいなと思います」

　糸井「去年のＷＢＣ見てたら、俺もまたやりたなったもん（笑）。あの日の丸を背負ってやることを経験したら、やっぱ全然違いますから。野球観もまた変わってくるし、ああいう世界で戦ってる選手にもいろいろ聞きたいこともあるやろうしね。やっぱり目指すべきところです」

　森下「そうですね。まずはシーズンをしっかり戦い抜けば、そういうところにつながっていきますからね」

　糸井「あの難しい甲子園のライトを守った経験がある者としては、見ていて守備もうまいなと。ゴールデングラブ賞獲れますよ！」

　森下「いや～獲りたいですね…獲りたいです！！」

　－佐藤輝が最近サインを変えた。森下と似てるというのも理由のひとつとして“パクリ疑惑”を訴えていたが…。

　森下「それは全然、違います！（きっぱり）。でも自分もずっと英語のに変えたいと思ってて。最近変えたら佐藤のＳと翔太のＳでまた…」

　糸井「あえてまた輝のに寄せにいったら？またアイツ変えるんちゃう（笑）。で、またこっちも変えて…」

　森下「いやいや…（苦笑）。全然前のも今回のも寄せてるつもりはないのに。だって輝さんのサイン知らなかったですもん、そもそも。それによくよく見たら全然違いますよ。パッと見たときに似てるかもってぐらいで。ほんとぬれぎぬですね。全然なんもパクってないです！！」

　糸井「そら人のをパクらんやろ！まあ変えるときはもっと簡単にしようとかな。書くのが複雑だと一枚一枚書くのに時間がかかるんで」

　森下「でも今回変えたのは前より少し複雑で…けど、なんかとにかく英語が良かったんですよね。漢字ではもう思いつかなくて…これからもいいサインが思いつけば徐々に変えていこうかな。特に今はその予定はないですけど」

　糸井「もうサインの話はええよ！とにかく今シーズンも思いっきり暴れてください！！」

　森下「はい！頑張ります！！」