【藤田平氏の眼】守備への意識が高まっている阪神・佐藤輝 より低い姿勢で捕球することが重要

 「阪神春季キャンプ」(10日、宜野座)

 阪神の佐藤輝明内野手(24)が10日、ランチ特打でバックスクリーン上部を直撃する推定飛距離140メートルの豪快弾を放った。新フォームで82スイング中23本の柵越えを記録。守備ではサブグラウンドで特守を行ったが、デイリースポーツ評論家の藤田平氏は「守備への意識は高くなっている」と評価しつつも課題を指摘した。

  ◇  ◇

 佐藤輝がサブグラウンドで1人で特守に取り組んだ。ほぼ正面のゴロを繰り返してさばき、基本の形を落とし込もうとしているように見えた。

 コーチの指示もあるのだろうが、今春は精力的に守備練習に取り組んでおり、守備への意識は高くなっているように感じる。ただ、約45分間の動きを見ていて気になることがあった。

 背が高い佐藤輝は捕球時に腰が高くなる傾向が強い。そのため低いゴロをさばこうとして手を伸ばしても、下に下ろすのが精いっぱいでグラブが前に出ず、捕球する位置が体に近くなってしまっている。捕球位置が近いと打球の変化に対応しづらくなり、ミスにつながる確率が高くなる。

 腰を低く落とせば手を前に伸ばせる範囲が広がり、捕球する位置も前に出る。また、守備では打球の変化に対応するためにも、ボールを下から見るぐらいの意識を持って低く入ることが重要だ。基本を繰り返して見直している今の段階から、より低い姿勢で捕球する意識を持ってもらいたい。

 あと残念だったのは雑に見えてしまうプレーがあったことだ。休日とあってサブグラウンドには多くの子供が駆けつけて、佐藤輝の練習を見ていた。ドジャース・大谷が大きな影響を与えているように、阪神ファンは佐藤輝の姿も見ている。プロとして練習から子供の手本になるような姿を見せてもらいたい。

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