阪神・佐藤輝 進化確信の先頭弾 「練習の方向性は間違ってない」メジャー流新打法で2戦計4の4
「阪神紅白戦、白組2-2紅組」(12日、バイトするならエントリー宜野座スタジアム)
米国仕込みの新打法で快音を響かせた。阪神の佐藤輝明内野手(24)が、今キャンプ2度目となる紅白戦に白組の「1番・三塁」で出場し、初回に今季1号となる先頭打者アーチ。前日との2試合で、計4打数4安打1本塁打、打率10割と驚異の成績を残した。取り組みの成果が早くも結果となって表れた形。持ち味のパワーに加えて確実性も高まってきた打棒をさらに磨いていく。
白球の行方は手に残る余韻と大歓声が教えてくれた。確信に満ちた表情で、ゆっくりと歩を進めた佐藤輝。ダイヤモンドを一周する間も静まらなかったどよめきが、豪弾のすべてを物語った。
「バッティングで言えば、練習でやっている方向性は間違ってないっていうのはこの実戦で感じられた」
ここまでの取り組みに自信をつけたのは、先頭で迎えた初回の打席だ。秋山と対戦し、フルカウントからの7球目、高めに浮いた直球を完璧に捉えた。高々と舞い上がった打球は右翼外野席に設置された防球ネット、通称「アレネット」を越え、芝生に到達。推定120メートルの豪快弾で先制点をたたき出した。
実戦2試合目で放った今季1号。“メジャー流新打法”の効果は早くも発揮されつつある。昨年12月に米シアトルの「ドライブライン・ベースボール」で動作解析し、データに基づいて改善した打撃フォーム。下半身を重視するなど細部の見直しを図ることで、持ち味の長打力に加えて確実性も高まっている。
三回には加治屋から左前打。前日の紅白戦も中前打と左前打を放っており、2試合で計4打数4安打、打率10割をマークした。「練習していることが実戦でも出せてよかった」と確かな手応えをつかみつつある。
試合前の練習では飛ばすことよりもフォーム固めに専念した。フリー打撃では35スイングで柵越えは0本。「飛距離は気にせずに。しっかり自分のフォームを確かめながら打っていました」と確認しながら、丁寧に打ち込み準備した。
プロ4年目となる今季。これまでとは違う春季キャンプを過ごしている。例年はシーズンへ向けて打撃フォームを模索していたが、今年は求める打撃フォームは明確だ。結果を残すために、あとは完全習得するだけ。「もっと投手と対戦できればもっといいかなと思います」と佐藤輝。実戦を積み重ね、打棒に磨きをかけ、頼れる大砲に進化を遂げる。