阪神・岡田監督 輪島塗の虎ぐい呑みで復興祈念 被災虎ファンの塗師屋・大崎さんが「明るい話題に」と指揮官に寄贈

 石川県輪島市の大崎漆器店から届けられた「ぐい飲み」を手に笑顔を見せる岡田監督(撮影・中田匡峻)
 岡田監督に送られた石川県輪島市の大崎漆器店から届けられた「ぐい呑み猛虎蒔絵」(撮影・中田匡峻)
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 阪神・岡田彰布監督(66)の元へ、15日までに能登半島地震で被害を受けた石川県輪島市内の輪島塗の漆器を扱う「大崎漆器店」から虎が描かれた「ぐい呑み」が届けられた。

 阪神ファンで、同店を営む塗師屋(ぬしや)の大崎庄右エ門さん(80)は以前、ファンの仲間内だけで使用するために数個を製作。自身も1つを自宅のタンスで保管していた。

 能登半島地震で輪島市は震度7を計測し、国の登録有形文化財に指定されている大崎さんの自宅兼工房は全壊。だが、虎の「ぐい呑み」はつぶされていなかった。

 輪島市では今も避難生活が続く人も多く、大半の輪島塗職人は工房が倒壊し、道具や材料を失った。「先は見えません。復興まで何年かかるのか…」と大崎さんは声を落とす。

 そこで奇跡的に無事だった漆器を、被災者を勇気づけるシンボルとして使えないか思案。岡田監督と共通の知人を介して「ふさぎ込んだ状況の中で明るい話題があればと思って。岡田監督に使っていただくことで輪島塗の職人はもちろん、輪島市の人が少しでも前向きになってほしくて」と寄贈を依頼した。指揮官が「少しでも力になれることがあるなら」と快諾。キャンプ地・宜野座まで届けられた。

 輪島塗の漆器は約120もの工程を経て作製され、「ぐい呑み」のサイズでも完成まで約1年を要するという。貴重な品を手に取った岡田監督は、一日も早い被災地の復興を願った。

 「野球で頑張っている姿を見せるのが一番やけど、俺がこれを使うことを知った輪島市の人が少しでも元気になってくれるとうれしいよな」。自身はオリックスに在籍していた1995年に阪神・淡路大震災を経験。2011年にはオリックス監督として東日本大震災の被害を受けた楽天の本拠地・宮城を訪れている。震災後の苦労を知るからこそ、被災者の思いも背負ってリーグ連覇へ準備を進めていく。

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