阪神・ゲラ 刺した!超速けん制一走ズバッ「本能で投げた」 最速153キロ、1回0封鮮烈デビュー
「オープン戦、中日4-1阪神」(25日、Agreスタジアム北谷)
期待の新助っ人がついにベールを脱いだ。阪神のハビー・ゲラ投手(28)=前レイズ=が初の実戦登板を果たし、1回無安打無失点。最速153キロも計測した。さらに1死一塁では素早いけん制でアウトにする場面も。メジャーで遊撃手も経験した右腕がさすがのフィールディングも見せ、鮮烈デビューを飾った。
冷たい風が吹きすさぶ北谷で、ゲラは半袖でマウンドに上がった。虎党の視線を一身に浴びる。緊張を感じながらも、魅力を存分に発揮した。
「初実戦で最初は浮き足だったじゃないけれど、緊張感があった。でも感じとしては悪くなかったし、最後は心地よく投げられたね。ちょっと寒かったけれど、いい投球ができて良かったよ」
四回から2番手で登板。「自信を持って、しっかりと腕を振る」ことだけを考えた。先頭の宇佐見に対して3球目に最速153キロをマークしたが、いきなり四球。ここから本領を発揮した。続く木下には2球連続で見逃しのストライクを奪うと、最後はスライダーで空振り三振に。狙ったかという問いには「100%」とニヤリ。続けて、「自分は三振ばかり取る投手だと思っていない。自分の仕事はアウト3つ取ること。きょうは三振よりも、アウトを取ろうと思って投げていたよ」と明かした。
見せ場は続く。1死一塁となったところで、次打者・山本への初球を投じる前に一塁へ素早くけん制。一走・宇佐見を刺した。メジャーでは遊撃手も経験していた右腕が見せた“超速スロー”にスタンドも騒然。「サインではないですね。自分でアウトにできるなと思ったので本能で投げました」としてやったりだ。山本も3球目のスライダーで右飛に仕留め、1回無安打無失点。鮮烈な実戦デビューを飾った。
岡田監督の評価は日に日に上がっている。鮮やかな一塁けん制には「あんなん見せんでええのにな」と苦笑い。「最初から入れる投手やから。そんなんもう。開幕にうまく合わせるように、こっちはやるだけやから」。クローザー候補でもあるパナマ出身の背番号00に絶大な信頼を寄せた。
開幕まで約1カ月。沖縄の地で、まずは大きな一歩を踏み出したゲラ。「シーズンに向けて時間もあるので、一日一日を大切にしてより良い準備をしっかりとしていきたい」。来日から約1カ月がたち「そうですね」、「ありがとうございます」「担々麺」と日本語も少しずつ習得している。担々麺の味は「スバラシイ!」とちゃめっ気ものぞかせた。魅力たっぷりの右腕から目が離せない。