阪神 野手MVPの前川がレギュラーを奪うためには?ポイントは「体重」と評論家指摘 お手本は若き日の金本知憲

 打撃練習最後の打者としてキャンプを打ち上げ、充実の表情を見せる前川(撮影・立川洋一郎)
 フリー打撃で快音を響かせる前川(撮影・立川洋一郎)
 春季キャンプを打ち上げ、前川(58)らナインとタッチを交わす岡田監督(中央)=撮影・立川洋一郎
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 「阪神春季キャンプ」(27日、宜野座)

 阪神が約1カ月にわたるキャンプを打ち上げた。岡田彰布監督は野手のMVPに高卒3年目の前川右京外野手を挙げたが、レギュラーに定着するには何が必要か-。阪神、オリックス、広島で指導者を歴任したデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は「体重」をキーポイントに挙げた。

 過去2年は故障がちだった前川が、しっかりキャンプを完走したことで「本人にとっても自信になったんじゃないか。野手の中では野口、井上らが実戦で結果を残せなかったが、前川は台頭してきた。やっぱり体つきが素晴らしいし、しっかりトレーニングする中でもそれを維持できた。練習で疲労もたまっていく中、スイングの強さも変わらないし打球も飛んでいる」と分析した岡氏。その上で、一気にレギュラーを獲得するためのポイントを解説した。

 広島では寮長を経験したこともあり「経験値のない選手が一番怖いのは、4月、5月に一気に体の線が細くなってしまうこと。キャンプ、オープン戦と結果を残してきた中で開幕後に『体重が8キロ減りました』なんて言われて。そういう選手はだいたいダメになってしまった」と回顧した岡氏。3月から開幕1軍、レギュラーをかけた争いが始まる。開幕後はチームとして勝負のシビアさが増す。

 「どうしても精神的負担が増してくるから、キャンプとはまた違った疲れが残る。それによって食事量が落ちる、運動量が落ちてしまうことで、体重が一気に減ってしまう。1月にトレーニングして立派な体を作ってキャンプに入ってきて、光るモノを見せながらも体重が減ることでスイング力であったりパフォーマンスが落ちてしまう。前川はそこの経験値がないだけに、レギュラーを奪うためにはそこを注意しないといけない」と岡氏。お手本として一例を示したのが広島、阪神で通算2539安打、476本塁打をマークした金本知憲氏だ。

 「もともと食は太い方ではなく、体の線も細かったが、トレーニングと驚くほどの食事量で体を作り上げ、シーズン中もそれを維持した。広島時代の丸もそうだった。食事量を落とさないように気をつけて、飛躍していった」と岡氏は提言する。ノイジーやミエセスら助っ人との争いを制し、開幕スタメンを勝ち取り、レギュラーの座をつかめるか-。フィジカル面を維持できるか否かが、大きなポイントとなりそうだ。

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