【藤田平氏の眼】昨年とテンポが違う阪神・伊藤将 『間』がない井上、ミエセスも気がかり
5日の楽天戦(甲子園)が雨天中止となった阪神はオープン戦5連敗で未勝利。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は投手と打者それぞれで「気になる選手がいる」という。
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春季キャンプから、ここまでのオープン戦を見て、気がかりなことがある。それは『間』だ。投手と打者それぞれで気になる選手がいる。
ピッチャーで挙げると伊藤将。前回登板の2月23日・巨人戦で3回7失点。昨年とテンポが違う。理由のひとつは軸足の使い方の違い。これまでは投球動作に入る際、左膝を一度折るようにしてその後、真っすぐに戻して投げることがあった(写真右)。
この動きは『間』を生み打者のタイミングを外す効果をもたらす。ただ今年は、あまり見られず(同左)打者とタイミングが合ってしまっている。またセットポジション時でも昨年までは、その場で足踏みのような動きで『間』を作る場面も見られた。
バッターでは井上とミエセスで共にノーステップに取り組む。このフォームは確実性を上げたいなどの考えから着手する打ち方。同時に自分なりの工夫を加えなけば左足を上げることで出来ていた『間』、『タメ』がなくなってしまう。
決して戻した方がいいということではない。大事なのは、どのようにして『間』を生むか。例えば伊藤将なら、これまでと違う足の動き、または上体で新たな動作を取り入れてみるか。井上とミエセスならテイクバックを大きく取るかなどだ。
開幕まで3週間以上ある。納得できる形を見つけてシーズンを迎えてもらいたい。