【谷佳知氏の眼】タイミングを合わせられず苦慮する阪神・佐藤輝
「オープン戦、ロッテ1-6阪神」(13日、ZOZOマリンスタジアム)
阪神は長いトンネルを抜け出し、オープン戦10試合目でついに白星をつかんだ。九回にこの日、誕生日を迎えた佐藤輝明内野手がダメ押しタイムリーを放ったが、デイリースポーツ評論家の谷佳知氏はタイミングに苦慮していると分析。修正の余地を指摘した。
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最終打席で久々に安打が出た佐藤輝だが、この試合の5打席を通して、投球に対してタイミングをうまく合わせることができずに苦慮しているように映った。
オフから股関節の使い方を意識した下半身主導のスイングへの改良に取り組んでいるというが、やろうとしている方向性は確かに伝わってきた。しっかりと足腰から回っていこうという思いがとても強く、腕を後方にあまり引かないコンパクトな振りになっている。スイング自体は本人が思い描いているものに近い形ができつつあるのではないか。
ただ、タイミングが常に遅れ気味なので、詰まった打球が多くなっている印象だ。最終打席の中前打にしても真ん中付近に甘く入ってきた変化球を詰まりながら運んだもので、状態がいい時であれば、中堅の頭を越える当たりにできただろう。
ほんの少し始動のタイミングを早めてみるだけで、スイングの感覚は変わってくる。まだシーズン開幕まで2週間ある。試行錯誤する中で、しっくりとくる感覚をぜひとも手にしてもらいたい。