阪神・村上 4・2前田穂南と必勝リレーだ 女子マラソン日本新樹立の五輪代表が始球式「しっかりあやかりたい」
阪神は18日、ホーム開幕戦となる4月2日・DeNA戦(京セラ)で、パリ五輪女子マラソン代表に内定した前田穂南(27)=天満屋=が始球式を務めることを発表した。同戦で今季初登板初先発が有力な村上頌樹投手(25)は虎党でもある前田の登板を歓迎し、勢いにあやかる考えを示した。この日は甲子園室内でオープン戦最終登板となる19日・ソフトバンク戦(ペイペイ)に向けて調整。オープン戦首位の強力打線を相手に現状を確認する。
今季の地元開幕戦で縁起のいい“リレー”が実現する。2大会連続のオリンピック出場が内定した前田が投げた直後、連覇達成の中心選手として期待される村上が今季初登板に臨む。右腕は「今、乗ってる方なのでしっかりあやかりたいと思います」。勢いに乗る注目ランナーに便乗する考えを明かした。
前田は兵庫県尼崎市出身で両親、祖父母まで阪神ファンという虎党一家だ。優勝した1月の大阪国際女子マラソンの前には目標の日本記録を「アレ」と表現。昨年の新語・流行語大賞にも輝いた岡田監督の名フレーズにあやかり、19年ぶりとなる2時間18分59秒の新記録を樹立した。
今度は阪神がエネルギーをもらう番だ。村上は面識はないというが、「(自分も)頑張っていきます」。前田から受け取ったバトンを、最高の滑り出しにつなげる。
その大一番へ向けて準備を進める中、19日にオープン戦最終登板に臨む。ソフトバンクは今季、山川らが加入し、柳田や近藤も健在。今まで以上に打線が厚みを増した。オープン戦では12球団1位の11本塁打、同2位の46点を奪って8勝3敗1分けで首位。村上が現状を確認する意味では最高の相手だ。
5、6回を投げる予定で「いつも通りバランスよく自分の球が投げられているかどうかというのを確認して、真っすぐが良くなっているかどうか」と直球をポイントに挙げ、真っ向勝負を挑む考えも示した。
「なかなかすごいメンツなので。逃げないように攻めたピッチングができたら。打ち取れれば自信になると思うし、今年もいけるんじゃないかっていう雰囲気にもなると思う。交流戦で当たる可能性もあるので、しっかり投げておけば相手にもちょっとは印象付くかなというのもある」。開幕までの実戦登板は今回を含めて多くても、あと2回。強力打線を封じて手応えもつかみたい。
甲子園に隣接する室内練習場で軽めの調整を終えた後は、クラブハウスへつながる通路で取材対応。その際、この日開幕したセンバツ高校野球のブラスバンドの音が聞こえていた。自身は智弁学園3年だった16年には開幕戦となった福井工大福井戦で完封し、同校初の優勝へ導いた。「今日開会式だったんで、自分もこの後に試合してたなあって」と懐かしい記憶をたどり、新たなシーズンへの気持ちを盛り上げた。自身も華々しい舞台がもう目前。最高の準備で4年目に臨む。