阪神・中野 30打席連続無安打 打率・070まで降下も光明「自分らしいスイングできている」

 「オープン戦、ソフトバンク4-0阪神」(20日、ペイペイドーム)

 また結果は出なかった。打球を打ち上げるたびに、左翼席からため息が響く。阪神・中野拓夢内野手が4打席連続のフライアウトに倒れ、公式戦を含めて自己ワーストの30打席連続無安打。オープン戦打率は・070まで下がった。それでも不安を募らせるファンの胸中とは対照的に、確かな手応えがあった。

 「最近の中では自分らしいスイングができているとは思っているんで」

 4打席目が復調への兆しだった。八回1死一塁、1ストライクからオスナの外角146キロ直球をミート。捉えた左飛に好感触を得た。

 「逆方向にいい打球が出るっていうことが、自分の中では調子が上がってくるところだと思うので。もう一回、原点に戻って、しっかりと映像も見直したい」。1試合5三振を喫した19日・ソフトバンク戦後は「どうしたらいいのか分からない」と戸惑いを隠さなかったが、この日の試合後はうつむかずに前向きに話した。

 首位打者獲得を目標に掲げる今年の実戦は、レベルアップを目指してフルスイングを続けてきた。「合わせたスイングならコンタクト率は上がるけど、強く振った中でのコンタクト率を上げていけば、打率3割を狙えたり、ヒット数がもっと増えたりすると思うので」。だが、力強く振り続けたことで狂いが生じた。最近のフリー打撃ではコンパクトなスイングを繰り返すなど微調整。兆しが見えてきた。

 平田ヘッドコーチは「今日は最後にいい感じで打ってくれたし、これをきっかけにというかね。残り試合でいい感じで打ってシーズンに入ってもらえれば」。昨季、最多安打のタイトルを獲得した好打者への信頼を口にした。

 ただ中野に安堵(あんど)した様子はない。「あと3試合なんで。その試合でなんとか開幕に向けていい状態に持っていければ」。8日のヤクルト戦以来となる快音を響かせ、気持ち良く3月29日を迎える。

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