阪神・岡田監督 ごく一部にしか知らされなかった膵臓に影 精密検査「異常なし」
阪神は29日に東京ドームで巨人との開幕戦に臨む。岡田彰布監督(66)は28日、同球場での全体練習後に取材に応じ、「不安はない。どんなゲームになるか楽しみや」と開幕を心待ちにした。
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岡田監督は人知れず不安と闘っていた。春季キャンプ前に球団が行った健康診断で、膵臓(すいぞう)に影が見つかった。一度は異常なしと診断されたが、キャンプ終盤にチームドクターから再検査を要望された。“異変”は陽子夫人ら周囲のごく一部にしか知らされず、コーチ陣にも伏せられていた。
2月28日。キャンプ打ち上げの翌日に一人で兵庫県内の病院へと向かった。日本一監督に“万が一”があってはならないと、病院側は万全の態勢を整え、岡田監督は救急外来の入り口から人目に触れないよう病院に入った。
精密検査の結果は再び「異常なし」だった。心の霧が晴れ、岡田監督は「ずっとモヤモヤしてたわ」と安堵(あんど)した。
「お医者さんも丁寧に見過ぎちゃったのかな。本人も全く(自覚)症状がなかったので『何やろうな』と言っていました」。妻の陽子さんは笑いながら夫の様子を振り返ったが、誰よりも気をもんでいたに違いない。
開幕前に健康不安は一掃した。心身とも充実した虎将は、心ゆくまで1年間を戦い抜く。(デイリースポーツ阪神担当・山本直弘)