【谷佳知氏の眼】打つべき球の見極め-成長感じる阪神・森下
「DeNA1-1阪神」(23日、横浜スタジアム)
阪神・森下翔太外野手(23)が1点を追う六回1死一塁から、左翼線二塁打。相手守備が乱れる間に中野が同点の本塁を陥れる貴重な一打を放った。自己最長の7試合連続安打の森下をデイリースポーツ評論家の谷佳知氏は「成長を感じる」と絶賛した。
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2年目を迎えた森下には成長を感じる。持ち前の思い切りの良さはそのままに、打てる球、打つべき球をしっかり見極めて対応ができている。
六回1死一塁で放った左線二塁打も、2球で追い込まれた後、ボール球を見送り、フルカウントから甘く入ってきたスライダーを逃さずにはじき返した。今季はここまで佐藤輝に次ぐ13打点を挙げているが、走者を置いた場面での勝負強さが際立っている。
1年目は思い切りがいい反面、ボール球に手を出してしまって凡退する打席も多かったが、今は相手の誘い球に対して我慢をして、逆に相手のミスショットを待つことができている印象だ。遊ゴロ併殺打に倒れた八回の第4打席、死球を受けた十一回の第5打席も、打ちそうな雰囲気があった。
今の打撃を継続できれば四球の数が増えて、もっと打率も上がってくるだろう。
打線全体では6安打で1得点に終わったが、打ち損じての凡退というよりも、DeNA投手陣がコースに投げ切った上での凡退が多かったので、心配する必要はない。投手陣が踏ん張って、引き分けに持ち込めたという試合だ。いい意味で、昨季のような「強さ」を感じさせられた。