阪神・岡田監督の表情を追ってみた 平田ヘッドもビックリ?前面に出る喜怒哀楽 誰よりもゲームに入り込み、にじむ野球愛、阪神愛

 「広島2-2阪神」(1日、マツダスタジアム)

 試合中、阪神・岡田彰布監督はどんな表情を浮かべているのか-。延長十二回の死闘となった広島戦、一塁カメラマン席から撮影された岡田監督のワンシーン、ワンシーンを見ていると、誰よりもゲームに入り込んでいるのが分かる。そして選手と一緒に戦っている姿勢が明らかになった。

 九回、1死二塁の勝ち越し機で迎えた佐藤輝の打席。微妙なコースがストライク判定になると、ベンチの岡田監督は鬼の形相で声を荒げた。隣にいた平田ヘッドコーチも思わず驚きの?様子。そして指揮官は両手を広げて悔しそうな表情を浮かべる。

 逆に延長十回、2死二塁で漆原が会沢を三振に仕留めると、満面の笑みで拍手を送った岡田監督。他にも選手と一緒に点をあおぎ、厳しいストライク、ボールの判定に声を上げる場面も多々あった。「引き分けいうても追いつかれてるからな」と試合後に語った指揮官。「もうないやろ(笑)。(試合が)長くて。まあ明日は試合ないからええけど」と言って会見を締めた。

 現在、チームはセ・リーグの貯金を独占している状態。2位以下に差をつけ、昨年の貯金3を上回る成績で3、4月を通過した。特にチームが貧打にあえいで苦しかった時期、リリーフ投手の起用法など指揮官の采配で拾ったゲームもあった。そしてタクトに応えて見せる選手たち。それも指揮官自ら誰よりもゲームに入り込み、戦況を分析し、2手先、3手先まで考えているからではないだろうか-。

 かつて阪神のオーナーを務めた宮崎恒彰氏は「選手たちというのはね、監督の姿を見ているんですよ」と語り、岡田監督のことを「野球小僧」と評していた。誰よりも野球に没頭し、チームを勝たせようと考える。それがベンチの姿と重なって選手たちに伝わる。時に阪神が一体感あふれるゲームを見せるのは、指揮官のこんな姿が要因の一つなのかもしれない。(デイリースポーツ・重松健三)

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