阪神・岡田監督の腹決まった 3番近本が延長十一回に1点V打 起点は1番・森下二塁打「もうええわ、森下はそれで」

 11回、先制適時打を放った近本はベンチへ向かってポーズを決める(撮影・田中太一)
 11回、右前に先制適時打を放つ近本
 ナインと勝利のタッチを交わす近本
3枚

 「中日0-1阪神」(15日、バンテリンドーム)

 これぞ待ち望んでいた3番打者や。近本光司外野手(29)が0-0の延長十一回、右翼へ決勝タイムリー。1番・森下翔太外野手(23)の二塁打をきっかけに上位打線が連動し、価値ある1点を刻み込んだ。今季8度目となる延長戦を制し、懸案事項だった「3番問題」も解決。岡田彰布監督(66)にとっても手応えを得た1勝となった。

 全神経を研ぎ澄ました。ここで試合を決めてやる-。深く息を吐き、次の1球を待つ。近本が迷わず振り切ったスイングから飛び出した打球は右前に弾んだ。値千金の決勝打。バンテリンドームを割れんばかりの大歓声と拍手、そして竜党の悲鳴が渦巻いた。

 両チーム無得点で迎えた延長十一回。突破口を切り開くために、先頭の森下が左中間への二塁打で出塁した。続く中野の二ゴロの間に三塁へ進塁。絶好機で打席が巡ってきた。

 「先頭で森下が二塁打を打ってくれたんで、絶対にチャンスで回ってくると思っていた。これ絶対打たなあかんなと思いながら、初球すごい空振りしました」

 仲間の奮闘に応えないわけにはいかない。積極的にバットを出した。中日の左腕・斎藤が投じた初球、外角へ見逃せばボールとなるスライダーを空振り。2球目はファウルで追い込まれた。カウント2-2からの6球目、低めの直球に反応。執念の右前適時打で試合を決めた。

 チームとして決め手を欠き、得点を奪えていない中で作った好機。重圧がかかる場面だったが「追い込まれたほうがいいのかなと思いながら、楽しく打席に入っていました」と振り返る。

 気持ちは熱く、頭の中は冷静だった。「自分のスイングをしてミスショットするよりも、追い込まれてしっかりボールに対応した方がいい」。空振りした初球のスライダーを頭に入れながら、バットに当てることだけに専念。5日・巨人戦(東京ドーム)での佐藤輝以来、7戦ぶりとなる3番打者の打点となった。

 5月12日のDeNA戦(横浜)から3試合連続で3番に座り、勝負強さを発揮。これで岡田監督の悩みの種でもある打順の並びについても解決しそうだ。2試合連続で1番・森下、2番・中野、3番・近本と並べた。指揮官は機能しつつある打線に「最後に1本出たからな。もうええわ、森下はそれで」と笑みを浮かべながらうなずいた。

 投手陣も踏ん張り、手にした今季7度目となる完封勝利。敵地での連敗も阻止し、チームはさらに一丸となった。「本当に投手中心に守りの阪神の野球ができたんじゃないかなと思います。しっかりこのカード勝ち越して、関西に帰りたい」と近本がチームの思いを代弁する。首位浮上へ。猛虎のリーダーがけん引する。

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