声出し要員で終われない 阪神・原口の並々ならぬ覚悟
「中日4-9阪神」(16日、バンテリンドーム)
抜てきに最高の結果で応え、再奪首へ導いた。阪神・原口文仁内野手(32)が不振の大山に代わって6年ぶりの4番に座り、六回に1号3ラン。4番初アーチ&初打点を記録し、1試合4打点の大暴れを見せた。チームはドラ1の開幕クリーンアップを先発から外す岡田監督の打線組み替えが的中し、2カード連続勝ち越し。苦しい状況でも貯金5とし、勝率で巨人を上回って首位に浮上した。
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原口の今季にかける思いは人一倍強かった。昨季は試合前の円陣での「バモス!」のかけ声が話題に。ただ、プレーではレギュラーシーズン全て代打出場。「声出しばっかして結果出さないんじゃ話にならない」。54試合で打率・192、2本塁打はもちろん納得できる数字ではなかった。
「まだ32歳。年数だけで何もキャリア積めてない。くそー!まだまだこれからいくぞという感じです」と本音を漏らすこともあった。迎えたプロ15年目。2軍具志川キャンプでは若手と一緒に早出から球場に向かった。
開幕前は2軍戦に出場し、一塁から誰よりも大きな声を出してチームを鼓舞した。全力プレーを貫き「打席にたくさん入れたことはプラスになった」と常に前向き。開幕後も練習前に室内練習場で打ち込む姿が恒例だった。「食らいついてこのユニホームを長く着たい」。覚悟と積み重ねた努力が形となった夜だった。(デイリースポーツ阪神担当・山村菜々子)