阪神・西勇やっと勝った 5度目の先発で今季初勝利 天国の恩師にささげる初星「いい報告できるように」
「中日4-9阪神」(16日、バンテリンドーム)
投打の活躍で引き寄せた14年連続勝利を、天国の恩師にささげた。阪神・西勇が今季5度目の先発でシーズン初勝利。6回2失点で虎党の歓喜の声を浴びながらも、喜びに浸りたい気持ちを抑えた。
プロ1年目からオリックス投手コーチとして指導を受けていた清川栄治さんが5日に死去。「『なせばなる』とずっと言われ続けてきた。何とか今日勝って、いい報告できるようにしたいなという思いがあったので」と弔い星で恩返しした。
ここまで好調ながら援護に恵まれていなかったが、この日は大量リードに守られた。初回に先制点をもらうも、二回2死の投ゴロで「詰まりすぎて、親指の感覚がなくなってしまった」とアクシデントが発生。「2本指で投げてる感覚でコントロールが難しかったんですけど、何とか何とか」。6回で4度も先頭に安打を許したが、五回の2失点のみで踏ん張った。
打席ではマイナス材料だけでなく、プラス要素もあった。四回無死満塁で直球をはじき返すと、前進守備の一、二塁間を破って3年ぶりの打点をマーク。「気持ちやったんで、点が入って良かった」と4点目をスコアボードに刻んだ。
三重県の実家から駆けつけた両親にも勇姿を届けて、「タイミングが良かったです」と安どの表情を浮かべた。
開幕戦を迎えた3月29日に都内のホテルで行われた出陣式。西勇は前日に調整登板していたため出席を免除されていた。それでも「誰ひとり欠けることがないのが大事」と強行スケジュールで参加。団結を優先したあの日から、時間を要してつかんだプロ16年目の初星で自分自身とチームを波に乗せる。