阪神・森下 ノーノー悪夢払拭!初回チーム初安打&五回タイムリー エンドランのサイン見逃し岡田監督に怒られた
「阪神3-0巨人」(25日、甲子園球場)
虎の若武者が“ノーノーの悪夢”をバットで振り払い、巨人に前夜のお返しだ。阪神・森下翔太外野手(23)が初回にチーム初安打を放ち、五回には3点目となる適時打。チームも今季9度目の完封勝ちで、甲子園デーゲームは無傷の7連勝。28日から始まるセ・パ交流戦を昨年に続き首位で迎えることを決めた。
意地を見せるだとかやり返すだとか、そういう問題ではない。相手が誰であろうと倒すだけ。前夜に食らったノーヒットノーランの悪夢をひと振りで払拭した森下。大歓声を全身に浴びながら、仲間と勝利のハイタッチを交わした。
「特に自分は何も考えていなかったですね。昨日のことは昨日のことで切り替えて。いつも通り準備していきました」
重苦しい空気を変えたのは初回だ。1死一塁で迎えた第1打席。中野が盗塁を失敗して2死に。カウント2-2から赤星が投じた147キロのシュートを中前にはじき返した。チームとして10イニング、35打席ぶりの安打。4番・大山も右前打で続くなど攻撃の流れを作った。
ただ、チームにとって待望の一打も岡田監督はおかんむりだった。「初回からほんま怒ったんやけど。バット振らんと。簡単に見送ったからな」と、エンドランのサインを見逃し、中野が盗塁死した場面に苦言を呈した。三回無死一塁の第2打席では初球に再びエンドランのサインを出し、ファウルに。その後、二ゴロ併殺打に終わった。
「打つだけじゃあかんからな3番いうのは。つなぎとかいろんな意味で、一番何でもできる打順でないとな。後ろにもつなぐ打ち方せんとあかん」。試合の中で指揮官から伝えられた3番打者としての使命。重要な役割を任せるだけの力があるからこそ、次のステップに上がることを求めた。
任された役割を全うするだけ。「チャンスがそんなに多く回ってこないと思っていたので。1球にかけるじゃないですけど。甘い球がきたら初球からいこうかと思っていた」と、勝負強さを発揮したのは2点リードの五回だ。2死二塁で打席を迎えると、2番手・井上の初球、カットボールを捉えて中前へ。3日の巨人戦(東京ドーム)以来、18試合ぶりとなる適時打でリードを広げた。
屈辱の“ノーノー”完封負けからの完封返しで連敗を阻止。今季最多タイの貯金7とし、首位での交流戦突入を決めた。「これでイーブンになったんで、カードとしては。あした勝ち越せばカード勝ち越しになるので。明日が勝負かなと思います」と5カード連続の勝ち越しを見据えた森下。打線の中軸を担う若虎がまたひと回り成長を遂げ、勝利のために奮闘する。
◆リーグ首位で交流戦スタート 阪神がリーグ首位で交流戦をスタートさせるのは2年連続で4度目。過去3度のシーズン年とリーグ最終順位は【1】2008年=2位【2】21年=2位【3】23年=1位。なお、23年は日本一となっている。