阪神・木浪 「『見とけよ』という気持ちで」屈辱明け二回に意地の先制V打 土曜日打率・368の“ミスターサタデー”
「阪神3-0巨人」(25日、甲子園球場)
やられたらやり返す-。阪神・木浪聖也内野手のバットが聖地に残る重苦しい雰囲気を振り払った。二回に先頭のノイジーが中前打で出塁すると、続く梅野が初球を投犠打。手堅く走者を進め、1死二塁で背番号0が打席に立った。
「『見とけよ明日』という気持ちで臨んでいた」。前夜は戸郷にノーヒットノーランを献上し、歴史的な屈辱にまみれていた。やられっぱなしでは終われない。カウント1-1からの3球目。赤星が投じた148キロの内角直球を振り抜き、右翼線を破る先制の適時二塁打とした。チームとして13イニングぶりの得点を刻み、「何とか先に点数を取ろうという気持ちがあったので、一発で仕留められてよかった」と二塁上で安堵(あんど)の笑みを浮かべた。
今季放った28安打中7本を土曜日に集め、打率・368に達する。デーゲームも得意としており、試合前まで打率・306、4打点。19日・ヤクルト戦(甲子園)でも2死満塁から2点適時二塁打を放っていた。この日は土曜日のデーゲーム。活躍は必然だった。
「昨日を引きずることもなく、全員がしっかり臨めていたと思う。みんなが勝ちに向かっていけていた」とベンチの雰囲気を代弁した。痛恨の“ノーノー負け”もただの一敗に過ぎない。一日で気持ちを切り替えられる強さが、今の虎にはある。