貧打にあえぐ虎打線 佐藤義則氏「これだけ打てなくて首位にいるのは驚き」 チーム打率はリーグ最下位、交流戦へ向けて打開策は?
連覇を目指す阪神はセ・リーグ首位で28日からの交流戦を迎える。ここまでチーム防御率がリーグ1位の2・17に対して、チーム打率はリーグワーストの・223。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏が貧打にあえぐ虎打線について語った。
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これだけ打てない打線なのに、首位にいること自体が驚きだ。4月には10試合連続2得点以下というのもあった。チーム打率はリーグ最下位。それでも、この位置で踏ん張れているのは投手陣の頑張りがあるからだ。
特に深刻なのは中軸の低調ぶり。4番・大山が打率2割ちょっと。開幕5番の佐藤輝は現在2軍で調整中。さらに3番を打つ森下はチャンスで勝負強さを発揮する場面もあるが、打率2割3分台では3番打者としては物足りない。調子の上がってきた近本、中野の1、2番がチャンスを作ってもクリーンアップがこんな状態では得点力が上がらないのも当然だ。
大山はなかなか状態が上向いてこない。強く振りたいという意識が強すぎるのか、上半身で振りにいっているのでバットのヘッドが走っていない。いわゆる腕が伸びた状態でスイングする「ドアスイング」になっており、これが、しっかりを球を捉えられず、速い球にも差し込まれる要因にもなっている。
佐藤輝は昨年ほど高めの球に空振りはしなくなったけど、それでもファウルなどでカウントを稼がれ、最後は低めの落ちる球を振らされる姿は、それほど昨年とは変わっていない。チャンスではブルンブルンと勢いよくバットを振るけど「当たりませんでした」の繰り返し。打てなかったとしても、バットに当ててなんとかしようとする必死さが伝わってこない。
期待は大きくても、打率2割前後で、守備でもミスが続くようではベンチの我慢も限界がある。交流戦では指名打者で起用する手もあるかもしれないけど、ファームでもあまり打ってないようだし、もうしばらく2軍調整が続くんじゃないか。
岡田監督は打線について「速い球に(振り)遅れるんやから」と嘆いていたが、そこが交流戦でも気がかりな点だ。パ・リーグはセ・リーグ以上に速い球を投げて力勝負を挑んでくる投手がたくさんいる。早急に対策を講じないと、さらに厳しい戦いをしいられる。
打ち込みの量を増やすなど、選手もそれぞれに復調の手がかりを模索しているとは思うが、一方で技術面だけでなく、フィジカル面にも問題があるのではないか。例えば、体のキレが足りないからバットを速く振ろうとしても振れない。結果、速い球に振り遅れている可能性もある。体にキレを出すためにランニングの量を増やすなど、単に打ち込むだけでなく、いろんなことを試していくことが大切だ。
投手陣が充実しているといっても、いつまでもずっとこの状態が続くとは限らない。シーズンが進むと、徐々に疲労も蓄積して、いずれは調子が落ちてくる時も来るだろう。投手陣が踏ん張っている間に打線が調子を上げておかないと、リーグ連覇への道は険しくなっていく。
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