【中田良弘氏の眼】新庄劇場に踊らされた岡田阪神 細かな揺さぶりにバッテリーが狂わされた ハマった「6番・投手」

 「阪神0-6日本ハム」(30日、甲子園球場)

 阪神が本拠地・甲子園で、2試合連続で主役を日本ハムに奪われた。先発の西勇は投手の山崎に先制打を許すと、自らの悪送球も絡んで今季最短となる4回4失点KOで2敗目。打線も完封負けで2カード連続の負け越しとなった。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「新庄監督が繰り返し仕掛けてくる細かな揺さぶりに阪神バッテリーが狂わされた」と指摘した。以下、中田氏の一問一答。

  ◇  ◇

 -日本ハム・新庄監督の描いていたであろう結末となった。先発・西勇は「6番・投手」で先発出場した山崎に先制打を浴びるなど本来のリズムではなかった。

 「新庄監督の『6番・投手』がハマった結果となった。日本ハム側が仕掛けてきた『細かい揺さぶり』が阪神バッテリーに効いた形だ」

 -具体的には?

 「まず日本ハムの各打者は塁に出ると、実際に盗塁をしなくても、果敢にスタートを切る動きを見せてくる。投手としては盗塁されていなくても、打者に集中できず落ち着かなくなるもの。そして、西勇が初安打を許したのは二回1死で松本剛の中前打。次打者・山崎の時には、捕手・梅野が走者を警戒して捕球の際に腰を浮かせる場面が多かった。このことからも阪神バッテリーが走者を強く意識しているのが分かり、結果は山崎に四球を許した。この四球が四回無死一、三塁からの山崎の先制タイムリーにつながっていく」

 -四回の山崎にはカウント1ストライクから高めの直球を痛打された。

 「山崎が6番の打順で来たこともあり意識はあったと思う。ましてや前の打席で四球を与えている。加えて日本ハムは何を仕掛けてくるか分からない。実際、山崎にタイムリーを許したところも、梅野は腰を浮かせるなど走者の動きに気を配っていた。まさに、こういった走者へ意識を向けさせることが日本ハム側の思惑。阪神バッテリーからすれば、新庄監督から仕掛けられ続けた『打者と走者への意識の分散』が山崎の先制タイムリーを含む、この回一挙4失点につながったと言える」

 -日本ハム打線の積極的な攻撃に阪神側は後手に回っていた印象だ。

 「日本ハム打線を見ると若くて勢いのある選手が並んでいる。岡田監督も『足の速い選手が多い』とチームの印象を語っていた。本来、西勇はクイックや制球力のレベルが高い投手。ところが、前日29日の対戦から新庄監督が繰り返し仕掛けてくる細かな揺さぶりが効果的で、西勇も投球リズムとコントロールを狂わせることにつながってしまったのだろう」

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