プロ1号の阪神・前川右京 真のレギュラー定着へ向け高い守備意識
「ロッテ5-4阪神」(31日、ZOZOマリンスタジアム)
サヨナラ負けの一戦で唯一の希望だ。阪神・前川右京外野手(21)が六回にプロ初アーチとなる同点2ランを右翼席へたたき込んだ。貧打にあえぐ打線にカツを入れた若虎は3-3の七回2死二塁でも右前タイムリー。9試合ぶりに4点目をもたらした。だが、1点リードの九回にゲラが同点犠飛を浴び、延長十回には漆原が押し出し四球で交流戦3戦全敗。今季初の4連敗となり、3位転落となった。
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セ・リーグで戦うためには打つだけではいけない。それは、前川も十分に理解していた。春季キャンプから早出特守に励み、捕球体勢やスローイングなど、筒井外野守備走塁コーチと徹底的に取り組む姿があった。
5月29日の日本ハム戦(甲子園)では好守もありながら、球際での“ミス”もあった。「捕らなきゃいけないですよね」。1軍でレギュラーをつかむためには守備への高い意識も必要。その思いがあるからこそ、守備で貢献できなかった時は打てない時と同じぐらいに悔しがっていた。
近くで見守ってきた筒井コーチは「もちろん欠点もあるんだけど…」と前置きしながら、長所も教えてくれた。「捕球の柔らかさとハンドリングの良さですね」。イレギュラーへの対応力は優れているという。そして、今は試合前練習であえて捕れない位置へノックを打ち、守備範囲を広げる特訓も行っている。
この日は指名打者での起用で待望の一発を放った。それでも、交流戦が終われば、DHはなくなる。筒井コーチはこうも言った。「間違いなく、うまくなってきてますけどね。もっと向上していくと思うから、頑張らせます」。右京が絶対的なレギュラーをつかむために、これからも走攻守で磨きをかけていく。(デイリースポーツ阪神担当・今西大翔)