阪神 4番・近本でも止められず5連敗 打順シャッフル失敗 岡田監督「もう、ええやろ」平田ヘッド「今は我慢」

 9回、中村奨の打球を捕れず、二塁打を許す近本(撮影・伊藤笙子)
 連日のサヨナラ負けで、ベンチ裏へ引き揚げる岡田監督(撮影・田中太一)
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 「ロッテ3-2阪神」(1日、ZOZOマリンスタジアム)

 勝利が遠い。阪神は近本光司外野手(29)をプロ初の4番に据えるなど、大幅に打線を組み替えたが、押し出し死球と犠飛による2得点にとどまり、2015年以来9年ぶりとなる2試合連続延長サヨナラ負けを喫した。交流戦開幕から勝ちなしの4連敗で、今季初の5連敗。ここが踏ん張りどころだ。打線の奮起で何とかして次こそ連敗を止めたい。

 森下の頭上を大飛球が越えていく。右翼フェンスに跳ね返った打球を背番号1が力なく拾い上げるのと同時に、二走・中村奨が本塁を踏んだ。延長十一回に力尽き、9年ぶりとなる2試合連続の延長サヨナラ負けで今季初の5連敗。岡田彰布監督は2日連続で試合後の会見に応じず「もう、ええやろ」とだけつぶやき、球場を去った。怒りと疲労感が入り交じったような複雑な表情が、敗戦の衝撃を物語っていた。

 連敗脱出へ打順の大幅変更を敢行した。近本をプロ6年目で初の4番に据え、不調の大山を22年5月8日以来となる7番に降格させた。前日に途中出場で安打を放った植田を2番でスタメンに抜てきするなど岡田監督の苦心の跡がうかがえた。

 第109代目の4番に座った近本は初回2死一塁からいきなり右前打を放って先制機を拡大した。「打席に入ったら自分のやることは決まっている。今日(の打順)は特別だったと思うので、1打席目は雰囲気も味わいながらと思っていた」。4番の居心地に違和感を覚えながらも、重責をものともしなかった。

 1点を追う六回は2死満塁から前川の押し出し死球で同点に追い付いた。1-1の九回には先頭の近本が死球で出塁すると、続く前川の初球で二盗に成功。1死三塁から渡辺の左犠飛で勝ち越したが、適時打ゼロでは逃げ切れなかった。

 守護神・岩崎が登板した九回。1死から中村奨が放った中堅への飛球に近本が懸命に前進し、スライディングキャッチを試みたが、無念の後逸。「風と距離感で全然捕れた。捕るのが一番だが、次は前に止める。それができなかった」と反省を口にした。記録は二塁打となり、2死二塁から左腕が同点打を許して延長戦に突入。この日昇格したばかりの西純が延長十回から登板したが、2イニング目に捕まった。

 今季は4月14日の中日戦と5月12日のDeNA戦で打線を大シャッフルして勝利を収めていたが、3度目の“劇薬”は効き目がなかった。平田ヘッドコーチは「あの手この手を使ってやっていくしかないからね。今は我慢だよ。それしか言いようがない」と苦境に置かれたチーム状況を説明した。

 5連敗は昨年6月以来で第2次岡田政権ではワーストタイ。交流戦の開幕4連敗は18年以来6年ぶりと重苦しい数字が並ぶが、首位・広島と2位・巨人も敗れたことがせめてもの救いだった。負の流れを止めるためにもいま一度、打線も奮起が求められる。

 ◆阪神今季の大幅打線組み替え 最初は4月14日。そこまで6戦連続2得点以下ということもあり、1番木浪、2番梅野など全打者を入れ替え連敗を3で止めた。2度目は5月12日。井上を1番、近本を3番に入れ、1得点ながら前夜7点差から逆転負けの悪い流れを断ち切った。今季大幅組み替えでの敗戦は1日・ロッテ戦が初めてとなる。

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