阪神ドラ2・椎葉 2軍でプロの壁、計10回で12失点 まずは最速159キロ直球の威力取り戻す

 阪神のファームを特集する企画「熱鳴-鳴尾浜情報-」。第2回はドラフト2位・椎葉剛投手(21)=四国ILp・徳島=の“現在地”をお届けする。ここまでウエスタンでは11試合に登板し計10回を12失点と本来の力を発揮できずにいる。「直球の球速アップ」を目指し、日々奮闘する右腕の今に迫った。

  ◇  ◇

 プロの世界に飛び込んで約5カ月がたった。独立リーグで投手としての才能を開花させ、わずか1年でドラフト2位指名を受けた右腕が、“プロの壁”を乗り越えようと懸命にもがいている。

 春季キャンプでは新人唯一の1軍入り。ブルペンにも一番乗りを果たしたが、「右肩下がり」と吐露するほど自己最速159キロを誇る直球の本領を発揮できずにいた。「持ち味の直球自体が球速も出てないし、強さもない」。実戦初登板だった2月17日の楽天戦(宜野座)では1回4安打2失点。「プロでは多少甘く入った球は全部打たれる。去年ファウルを取れてたのが取れない」とレベルの高さを痛感した。

 昨年との一番の違いは練習と試合の量。福原2軍投手コーチは「元々週に土日ぐらいの試合だったんで結構、休み休みで投げていたと思う。それが今、毎日野球やから疲労とか戸惑いもあったと思う」と話す。慣れない練習量などに対しては睡眠時間を増やしたり、水温差のある二つの浴槽に交互につかる交代浴3セットなどで疲労の回復に努めている。

 一方で球の出力を上げるために日々の練習メニューをこなした後、「好き」だというウエートトレにも取り組んでいる。さらに昨年球速が上がり始めた頃に行っていた「メディシンボールを全力で投げて出力を上げる」練習メニューも5月から取り入れるなど体力強化に励んでいる。

 「最低限、去年のレベルに上げられるように」と徳島時代の岡本哲司監督やともに独立時代を過ごした西武ドラフト5位・宮沢太成(四国ILp・徳島)に動画を送って意見も求めた。投球動作は気にするほど変わってないと言われたといい、「あとは力を出すようにタイミングをうまいこと合わせればいいかな」と、トンネル脱出の糸口は見つかりつつある。

 プロで成長した部分もある。これまで「練習中」としていたフォークは磨きがかかってきた。「1軍に帯同させてもらった時に、いろんな人のフォークの握り方を聞いたんですけど、桐敷さんに投げ方を教えてもらって、その感覚で投げたら結構良かったんで、ずっとその握り方とイメージで投げてます」。“スペードのエース流”フォークに手応えをにじませ、「真っすぐが生きてきた時に有効だと思うんで」と決め球として使うことも考えている。

 福原2軍投手コーチは「少しずつですけど腕も本当に振れてきている」と評価した上で「ちょっと(登板)期間を空けたりとかいろいろやってて。地道にやって、これから実戦で投げながら試行錯誤して、いいものを見つけていけたら」と右腕の背中を押した。プロ生活はまだ始まったばかり。本来の直球を取り戻し、よりパワーアップして1軍を目指す。(デイリースポーツ・和泉玲香)

 ◆椎葉 剛(しいば・つよし)2002年3月18日生まれ、22歳。大阪府出身。182センチ、92キロ。右投げ右打ち。投手。島原中央、ミキハウス、四国ILp徳島を経て23年度ドラフト2位で阪神入団。直球の最速は159キロ。他に球種はスライダー、カーブ、フォーク。今季ウエスタンは11試合で勝敗なし、防御率7・20。

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