阪神・岡田監督が就任後初めて大山を2軍降格させた理由 以前から感じていた復調へのポイントとは

 「阪神1-3楽天」(4日、甲子園球場)

 阪神・岡田彰布監督が重い決断を下した。4日・楽天戦後、2023年の監督復帰から4番を任せてきた大山悠輔内野手を就任以降、初めて2軍に降格させることを明かした。

 打線の中で、最も4番を重要視する岡田監督。04~08年の第1次政権では金本知憲に任せたように、チームの勝敗を背負える打者を据える。チームに与える影響力が大きい打順だからこそ一度任せると、よほどの危機的状況でなければ動かさない。

 今季も開幕から4番を任せた大山に対しても、不調でも復調を信じて待ち続けた。複数回の打順変更によるリフレッシュや、見えないところで直接指導も行ってきた。今回の2軍降格の理由を問われた指揮官は「本人が言うてきたんや。話し合いやからな」と話したが、受け入れたということは我慢も限界だったのだろう。

 岡田監督によると、大山は2軍で実戦に出場する予定はないという。「(課題は)体のキレやな、全然キレがないやろ」と話した。

 復調へのポイントとは-。指揮官が以前から指摘していたのは、直球への対応だった。

 「今年、真っすぐを捉えて、三塁方向へバチーンって打ち返したファウルを見たことあるか?ホームラン3本で、東京ドームで打った2本はどっちも変化球やったやろ」。どんどん直球を投げ込まれながらも差し込まれ、打ち返せない姿にもどかしさを感じていた。

 ただ、岡田監督は何もせずに復調を待っていたわけではない。直接、技術的なアドバイスも送っている。

 大山は2軍で“ミニキャンプ”を行い、復調への道を探るという。直球を打ち返すキレのあるスイングを取り戻せるかどうかは、一つのポイントとなりそうだ。

 今季の大山はオープン戦終盤に下半身の張りを訴え、開幕前のラスト4試合を欠場。“ぶっつけ本番”で開幕を迎えていた。その影響か4月中旬まで打率は1割台前半から2割台前半を推移。岡田監督は同14日・中日戦で監督復帰後、初めて4番から5番に下げた。

 この時はリフレッシュという意味合いが強かった。同戦では1~8番まで野手全ての打順をシャッフル。「1人だけ打順が変わったら選手は『俺は調子が悪いと見られているんや』と感じるやろ」という配慮があった。

 次戦の4月16日・巨人戦から大山を4番に戻すと復調気配を見せ、5月3日・巨人戦では打率・250まで戻した。

 だが、再び下降線をたどる。同16日・中日戦ではスタメンから外し、6月1日・ロッテ戦では7番にまで落とした。そして、同4日・楽天戦は出番がないまま、試合後に2軍降格となった。

 ただ大山が苦しみ続けていた間も、岡田監督は姿勢を評価していた。試合前後に甲子園の室内練習場で打ち込む姿も知っている。スタメンを外した翌日の5月17日・ヤクルト戦で適時打を含む2安打を放つと、「そら本人が一番苦しんでると思うよ、ヒット出えへんのは。でも、やることやってたらやっぱり出るやん」と話している。

 22年オフに再登板決定後、岡田監督の構想では4番候補は大山か佐藤輝だった。同年の秋季キャンプで野球に取り組む姿勢や、チーム内での立ち位置を見極めて、大山に決めた。

 「4番はみんなが認めんとあかん。姿を見て、このチームでは大山を4番にしないといけないというのが見えたからな」

 23年シーズン。大山は球団史上5人目となる全試合4番を達成した。リーグトップの99四球を選んで最高出塁率のタイトルを獲得し、38年ぶりの日本一にも貢献。「岡田野球」を象徴する存在となった。

 球団史上初の連覇には大山の復調が欠かせない。岡田監督も復活を信じて待っている。(デイリースポーツ・西岡 誠)

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