【解説】阪神 2軍降格の大山に何が起きているのか 名伯楽・内田順三氏が指摘する絶不調の原因は-「前の景色を変えてはいけない」

 阪神・大山悠輔内野手が開幕から極度の不振が続き、ついに2軍降格が決まった。4日の楽天戦(甲子園)後、岡田監督が明らかにした。昨季日本一に大きく貢献した主砲に何が起きているのか。打撃の名伯楽・内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)が、昨年との違いを解説する。

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 開幕直後から感じていたのは力感を強く持ちすぎということ。テークバックをした時に、前の左肩を投手の方に入れていかなければいけないのに、セカンド方向に向くように入っていく。ねじりすぎて、そこから反動を使って打ちにいくものだからステップ幅も広くなるし、頭も動いて確率が悪くなる。昨年のフォームと映像で見比べてみたが、昨年は力感なくスムーズにバットが出ていたし、インパクトの瞬間だけ強弱が取れていた。

 意識してほしいのは、打席での前の景色を変えてはいけないということ。セカンド方向に肩をねじってしまうと、ゾーンも変わってくる。かつて、イチローが構えた時に右手を前に出して止めていた動作があったでしょう。あれは真っすぐに、ラインを作る動き。これは落合も大事にしていたことだが、打撃練習でも投手に対してベースが並行かを確認し、少しでも曲がっていたら直してから打ち始めていた。ズレていたらストライクゾーンが狂うから、これはすごくこだわっていたよね。

 大山がまず意識すべきことは、このラインを作ること。フォームどうこうよりも構え、立ち位置だね。それと無駄な動きをせず、下半身主導でシンプルにトップの位置からバットを出すということ。そこまで力まなくても、彼には振る力がある。自然と振ることで、広い甲子園でも30発を打てる力はあると思うよ。

 ひとつの改善策として、下半身をいじめること。かつて、山本浩二さんが打てなくなるとアメリカンノックを受けていたことがあったが、疲れるといい感じで脱力できる。練習で大山がノックを受けたり外野を走っていたりしたのであれば、それはいいこと。いいバッターというのは150キロを140キロを打つかのようなリズム感がある。そこにはガツガツした感じはなく、柔らかさを感じるでしょう。緩い球をねじらずに打つ練習でもいい。そこは自分にある引き出しを使って、考えていけばいい。

 打撃のここを変えるとかではなく、力まなくなればステップ幅も小さくなり、コンタクト率も上がってくるでしょう。これからも苦労するとは思うが、ネガティブになるか、ポジティブになるか。これ以上悪いことはないと思って、乗り越えてほしいね。

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