阪神・佐藤輝が突破口 昇格即安打→先制ヘッスラ 岡田監督の「起爆剤に」のゲキに応えた

 「阪神5-1西武」(7日、甲子園球場)

 まさに起爆剤だった。24日ぶりに1軍復帰した阪神・佐藤輝明内野手(25)が「5番・三塁」で即先発。二回は復帰後初打席で中前打を放ち、気迫のヘッドスライディングで先制のホームイン。軽快な守備でも何度もスタンドを盛り上げた。打線は15試合ぶりに5得点を挙げ、連敗を3でストップ。岡田監督から「起爆剤になってくれ」と送り出された試合で、背番号8が低迷していたチームを活気づけた。

 みんながこの男の帰りを待っていた。1軍復帰に聖地が沸き上がる。「やっぱり甲子園の歓声はすごいので、それを力に変えてプレーできました」。1軍出場は24日ぶりで、本拠地でのプレーは30日ぶり。佐藤輝がファームで成長し、救世主となって戻ってきた。

 両軍無得点の二回無死。カウント1-2と追い込まれながら、与座の外角直球を中前へはじき返した。「センター方向の意識で、いい当たりが出たので良かったです」。復帰1打席目でチーム初安打。球場のボルテージは高まり、完全に流れを呼び込んだ。

 その後、1死二、三塁となって木浪は一ゴロ。三走の佐藤輝は果敢に本塁へ突入した。一塁の中村剛がファンブルし、気迫のヘッドスライディングで先制のホームイン。「スタートがちょっと遅れた。何とかセーフにというところで、ああいう感じになりました」。ユニホームは真っ黒。とにかく必死だった。

 五回1死は中村祐から右前打でマルチ安打。さらに守備でも躍動した。三回無死で古賀の三ゴロをさばくと、自然とどよめきが起こる。四回は滝沢の三塁線へのゴロと、中村剛のボテボテのゴロをガッチリつかんでランニングスロー。「いいプレーが出たんで良かったです」。五回1死でも俊足の山野辺のゴロを素早い送球でアウトにした。

 満を持しての昇格。練習前には岡田監督へあいさつに出向いた。「起爆剤になってくれ」。短い言葉で希望を託された。背中を押されて奮起したのか「やる気満々です」と気合十分。試合前から暴れ回る予感を漂わせていた。

 ファームでは和田2軍監督から「若い選手の見本になるぐらいの動きをしてほしい」と要望された。志願の特打、特守を敢行。室内練習場で一緒になった高寺は目を凝らした。「僕は見て学ぶ派なんで。参考になりますよ」。同じ三塁の戸井はシーズン前に助言をもらった。「自分を持った方がいい。悪くなった時に戻れるものを」。酸いも甘いも経験したプロ4年目。この日は鳴尾浜から甲子園へと向かう時、野口に「頑張れよ」と声をかけた。先輩としての自覚。その背中を後輩たちも追っている。

 佐藤輝が起爆剤となって、悪い流れは強い浜風に乗って消えた。連敗を3で止め、甲子園の連敗も6でストップ。聖地での交流戦初勝利も手にした。8カードぶりにカード初戦の白星も奪取。「継続して打つ方も守る方もやっていきたい」。もう下は向かない。おかえり、佐藤輝。強く、たくましくなって帰ってきた。

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