阪神・中野 リベンジの高橋光成撃ち「まさか、また甲子園の舞台で」12年越し日大山形時代の雪辱
「阪神4-1西武」(8日、甲子園球場)
12年越しの思いを、阪神・中野拓夢内野手はひと振りに込めた。痛烈な打球が一塁線を襲う。因縁の相手である同学年の高橋から先制適時二塁打を放ち、勝利に導いた。
「まさか、また甲子園の舞台で対戦できるとは思っていなかった。自分としては甲子園で戦ったという記憶がすごく残っているので。チームとして勝ちたいという気持ちがあった」
日大山形2年時の13年夏の甲子園準決勝。対戦相手となった前橋育英のマウンドには高橋が立っていた。右腕から1安打を放ったが、試合は1-4で敗戦。今でも鮮明に覚えている悔しさを11年の時を経てぶつけた。
勝負強さを発揮したのは三回1死一、二塁。152キロの直球を捉え、右翼線を破った。「もちろん、自分でかえすという気持ちはありました。流れを止めずにいい勢いでいけた」。3試合ぶりとなる安打で先制点をもたらし、試合の主導権を引き寄せた。
3点リードの五回には、再び右腕から快音を響かせてチャンスメーク。先頭で打席を迎えると、カットボールを中前へ運んだ。その後、前川の中前打で三塁に進み、森下の中前適時打で4点目のホームを踏んだ。
3連敗を喫し、貯金0になってからの2連勝。「投手にいつも助けられてばかりなので、何とか打者陣が試合を作っていけないと思っていた。ここ2試合は打線がやっとらしくなってきた」と声を弾ませた。大歓声に包まれた甲子園。再浮上への兆しが見えてきた。