【井川慶氏の眼】阪神 チームも豊田も救った西勇初回の投球
「オリックス0-5阪神」(13日、京セラドーム)
2試合連続完封負けを喫していた阪神が四回に原口の神走塁、木浪、森下の適時打などで一挙4点を先制。七回には原口が2号ソロ。投げては西勇が今季初完封勝利で3勝目を挙げた。デイリースポーツ評論家の井川慶氏は西勇の初回の投球を「チームも豊田も救った」と絶賛した。
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西勇投手の見事な完封勝利は、初回のピッチングに尽きます。豊田選手のエラーに続き、ボテボテの当たりが右前へのヒットとなって無死一、二塁に。チームが連敗中ということもあり、ここで失点すると嫌なムードになるところで、無失点でしたからね。
大事な局面であるということを感じての投球だったと思いますが、力みのようなものは見えなかったですし、しっかりと抑えきったのも経験が成せる技でしょう。僕は現役時代、エラーが絡んでのピンチというのは、逆にチャンスでもあると考えていました。そこで抑えれば、流れも良くなりますし、エラーした選手は前向きな気持ちでミスを取り返そうと、打ってくれるものなので。
実際にこの試合でも、豊田選手は得点に絡む活躍を見せてくれました。2軍でのプレーも見ていて、思いきりのいいバッティングが持ち味の素晴らしい選手だなと思っていました。プロ初安打、おめでとうございますということと、チームだけでなく豊田選手も救ったのが、西勇投手の初回の冷静な投球だったと思います。