阪神 4番・佐藤輝が復帰後初長打「それは良かった」 再浮上へ「先制点を取って、いい流れに」
「ソフトバンク6-2阪神」(15日、みずほペイペイドーム)
ソフトバンクに完敗で4位転落となった中、打線組み替えで今季2度目の4番に入った阪神・佐藤輝明内野手(25)が、六回に1軍復帰後初の長打となる右線二塁打を放った。17イニングぶりの得点につながる一打となったものの、初回、八回の好機では凡退。もっともっと状態を上げて、チームを勝利に導きたい。
久しぶりに佐藤輝らしい打球が飛んでいった。たかが一本、されど一本。「長打だったので、それは良かったです」。今季2度目の4番起用に燃えた。7日に再昇格して以降、初の長打。降格の引き金になった5月14日の中日戦(豊橋)以来、32日ぶりの二塁打を記録した。
6点ビハインドの六回1死一塁。このままズルズルいくわけにはいかなかった。1ストライクから東浜の内角直球を捉えて、右翼線へ強烈な一打。二塁上ではうっぷんを晴らすように、パンパンパンッと力強く3度手をたたいた。
4月14日の中日戦(バンテリン)以来、62日ぶりの4番。「特に気にせずに、はい。打つっていうことだけを集中していきました」。結果的にこのチャンスメークが17イニングぶりの得点に結びついた。
ただ、2打席目までは屈辱を味わっていた。初回2死二塁では高々と舞い上がった右飛。四回1死では空振り三振と8打席連続無安打。ついに打率は2割を切って、・199まで低迷した。3打席目の二塁打で2割以上に戻したが、岡田監督も「1回沈んだけどな。(打率)2割を。持ちこたえたな」と苦笑いを浮かべるしかなかった。
4番で起用されたように佐藤輝が求められるのは好機での一打。八回無死一、二塁では左飛に倒れた。ベンチへ帰る時にはバットを芝生へたたきつけ、悔しさをあらわに。昇格後は24打数4安打で打率・167。まだ打点を挙げられていない。
4番としての自身今季初安打にも当然表情はさえない。「一本ずつ結果を出すことで状態も上がっていく?その通りです」。改めて自分を見つめ直し、目の前の試合にベストを尽くすことが復調への近道になる。
チームは連敗。打線が敗因の大部分を占めていることは明確だ。「先制点を取って、いい流れにしたいと思います」。16日の相手先発は新人時代の21年3月5日のオープン戦で“プロ1号”を打った石川。昇格後初アーチをみんなが待っている。