阪神・岡田監督 森下熱血指導の理由は?「絶対無理よ。はっきり言うたるけど」「深刻どころちゃうよ、そんなもん」
阪神は19日、甲子園球場で全体練習を行った。岡田彰布監督は2年目の森下翔太外野手に熱血指導。「監督になってから初めてちゃうか」と指揮官人生で初となる異例の対応だ。それも3番を期待する森下の状態が「深刻どころちゃうよ。そんなもんお前」と評すなど、不振脱却へ自らメスを入れた。以下、岡田監督との一問一答。
◇ ◇
-森下はヘッドが走った状態で捉えられていない。
「ヘッドとかお前、リストとか使うてないやんか。何回言うても、なあ。今年もお前、西武のときとかも室内であれやったけど、ちょっと呼んだりして。でもずーっと一緒やからなあ。ちょっと言うたくらいじゃ直らへん」
-あえて極端なことも。
「いやいや、はよ、ちょうど試合もないからなあ。手を打たんと打てへんもん」
-少しは理解を示してくれた。
「まだ分からんよ。そんなんお前、理解なんか。今までも理解できへんかったんやったんやから」
-本来は3番に入るような選手だからこそ。
「いやいや、まだまだこれからの選手やからな。これからあいつが長いこと野球する中でなぁ。このいまのスイングじゃ、絶対無理よ。おーん。はっきり言うたるけど」
-監督直々指導も珍しい。
「珍しいいうか、初めてよ。俺、グラウンドで指導するのなんか、初めてよ。監督になって。前のときも一回もしてない。グラウンドでは。室内ではなぁ、やったのはあるけど。コーチにこうなってるから言うても、そんなんもなぁ、言うても聞けへんのか、やれへんのか、それは分からへんけど」
-それだけ状態が深刻。
「深刻どころちゃうよ。そんなもんお前」
-あまり教わってこなかったこと。
「考え方の勘違いをしとんだよな。おーん。なんか福岡で言われたらしいな。松中に。なんちゅうティー(打撃)をやってるんですかって、言われたって言うとったわ。平田(ヘッドコーチ)が。アメリカのあんなん、もうみんな誰もやってませんよって笑われた言うとった」
-入団当初からいつかはと思っていたのか。
「いや、最初はそうでもなかったよ。あんなにそっくり返って打ってないよ、最初に入ったときは。去年でもあんなにそってないよ。今年のキャンプからやろ。オフの間に何をしたかはしらんけど。ピート・ローズのバットまで持ってきて。おかしいやろ」
-ずっと気になっていた。
「気になっていたっておまえ、自分らでわからなあかんやろ、言うてるのは言うてるわけやからな、そんなのおまえ」
-指導中、森下は下に向けて打っているみたいですと言っていた。
「全然、下に向けて打ってないやんか。レベルやんか。感覚がな」
-それぐらい意識してちょうどいい。
「そうそう、そんなんあれやんか。悪いのは100直してもあかんよ、120くらいの感覚で直さんと。そういうのは、極端にやらんと直れへんよ。50のやつに、50しかないのに50を教えても100にはならんよ。120ぐらい教えんと、100には近づけへんよ、そんなもんは」
-ティー打撃ネットの1カ所と、長い棒も森下指導のために準備したのか。
「そうや。長い棒を振らせてみ?こんなんして振ってるやろ?誰が見てもわかるやろ?あれがまともにレベルで振っている感覚なんやから、根本的におかしいやろ?」
-以前からこの2日を使って指導する予定だった?
「毎日試合があったら、出てたら、なかなかなあ」
-まず一人、一人、上げてくることが前提。
「いやいや、まだ一番のびしろがあるからな。これからの選手やん、まだ2年目やんか。今のうちにちゃんとした打ち方な、覚えたらもうお前、そんなんずっと長いことできるようになるわけやから。試行錯誤しながら試合やってもうたら困るよ、はっきり言うて。あいつ、そんな感じやったな。毎日、毎日なんかな、考えながら徐々にとか、そんなんまず自分の形を作ることやんか。そんなんいちいち5つも6つも考えながら打席なんか立たれへんよ。来たボール打つしかないんやから打席立ったら。そんな考えて打席立っとったら打てるかいな、迷うて。そんなもん体が反応して打つわけやんか、打席の中で。分からへん0・何秒やで、はっきり言うて。0・何秒の差な、真っすぐと変化球の違いを体の反応で打つしかないわけやからさ、頭で考えてられへんわけやからな。ええスイングを染みこませといたら、それで打てるわけやから。今のはちょっと変な打ち方やな、悪いなの繰り返しやんか、結局。そんなことを考えてお前、毎日試合あるのにバッティングなんかでけへん」
-話は変わるが、去年までできていたことができていない。監督が求める役割や普通の野球ができなくなっている。
「いやいや、そんなんお前、走塁なんか、走塁にスランプはないいうて昔の人がよう言うとったやんか、そんなもん。当たり前のことやからな。まあ意識がないよな、今日なんか見とっても」
-焦りとかではなく緩みが出ているという見方か。
「まあそれはだって、選手に聞かんと分からへんやん(笑)それは無意識に緩みになってるんかも分からんしのお、結局は。今日でもランナーつけて、つけるだけやったな。今日なんか見てみいよ、何にもないわ。ワンアウト二、三塁のセンターフライで糸原がタッチアップせえへんし、二塁ランナーで。最後のそうやんか、近本ホームけえへんやんか。あんなボテボテで。それだったらもうな、そういうふうに見えてしまうわけよ、俺がな。ただやってる練習なんやなって、そうなるからな」
-特にサードランナーは。
「なんで、サードランナー、コーチも行けとか怒れへんのやろな、それが俺は不思議やねん。なあ。みんな見過ごしやぞ。俺が見とってもそうや、今日も2つあるわ、なあ。そないしてお前。昨日、センターで(小幡が)タッチアップしてないのに、今日も1アウト二、三塁から、見てみいお前、佐藤の大きいフライで。糸原タッチアップもせえへんやろ。それを何にも言わんからの、コーチもお前。そこまでいちいち俺が指摘したらコーチいらんよ。はっきり言うてな」
-2軍戦に出ていた大山は。
「明日からこっち来るよ。ゲラも今日投げて、明日からこっち来るよ。2つ枠あるから、そのために空けてあるから。誰か1人なあ、最後の1試合のために上げてもお前、また交代で終わるなあ、かわいそうやん、そんなの選手は。ただ1試合のためだけにのう、上げたって。1試合上げて金もらえるやつもおるけどな、ほとんどそうやベンチ入るだけでのう」
-大山は和田2軍監督から良くなったという報告は。
「だいぶなあ、良くなったいうの…良くなったてお前、そら今年良かった時がないわけやから。どのぐらい良くなったのか分からへんで、良くなったてどういうことや?なに?」
-体のキレがと。
「そうや。キレやんか。キレがないから打てんと思ってる、俺はな。バッティングで良くなったいうても、そんなんもう分からへんで、なに、3割打ったら良くなってんの?でも7回アウトになるんやで、7回アウト見なあかんねんで、良くなってる選手でも。そんなバッティングなんか完璧じゃないんやから、良くなってるなんていう言葉なんか使たらあかんと思うわ俺はな」
-2週間くらいたつが、もともとこれぐらいの時間を。
「いやいや、もう交流戦上げるつもりなかった。そんなん急に無理やって、そんなん急にようならへんって。やっぱり、走り込んだりして、ノックでも受けて、体な、キレ戻すとかそんなことせんと」
(歩きながら)
-監督になってボール打ったのも初めてでは。
「ああ。久しぶりに汗かいたわ。もうノックバットしか振れへんで」