【西山秀二氏の眼】梅野は何を感じていたか 大きな意味があった板山への配球は決勝打とは違う場面

 「阪神0-1中日」(25日、倉敷マスカットスタジアム)

 好投の阪神・才木浩人投手は八回2死から連打を許し8回1失点で2敗目。デイリースポーツ評論家の西山秀二氏は、梅野隆太郎捕手の配球を指摘した。

  ◇  ◇

 才木の1巡目の投球を見て、梅野は何を感じていたか。私の目から見れば、タイミングが最も合っていたのが板山で、龍空にはスイングの強さがあった。才木と小笠原の投手戦。打撃に課題を抱える両チームなだけに、今日は1点勝負になりそうだという嗅覚が働いたかどうか。

 四、六回にいずれも1死無走者で板山を迎えた場面の配球は外中心で、最後はともに直球を中前打された。ここに大きな意味がある。

 八回2死三塁の第4打席で、急に内角を使い出したが、私に言わせれば時既に遅し。内角球を使って攻めているように見えるけど、実は手詰まりで、もう投げる球がなくなっていた。しかも、才木は100球を超えていたし、要求通りに投げるのが徐々に難しくなり始める場面だ。

 内角球を使うのであれば、四、六回の場面で要求するべきだった。板山の足元に食い込んでくるカットボールを投げたり、体の近いところに強いボールを投げるべきだった。

 梅野のリードが悪かったと言うときつい言い方になるが、そういうこと。その場面だけでなく、先々のことを考えたリードが必要。四、六回に内角球を使っていれば、八回の結果は違うものになっていただろうし、才木も、もっと楽に投げられていたはずだ。

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