阪神一丸 みんなで届けた岡田監督700勝目! 大山V撃から前川、佐藤輝が連続タイムリー 打線爆発8得点爆勝
「阪神8-1中日」(27日、甲子園球場)
こんな猛虎が見たかった。快音が響き、六甲おろしが奏でられた快勝劇。七回無死一、三塁での、阪神・大山悠輔内野手(29)からの3者連続の適時打で流れを引き寄せると、終わってみれば12安打8得点というお祭り騒ぎの夜となった。岡田彰布監督(66)のNPB史上20人目となる監督通算700勝目を、甲子園での痛快な連敗ストップで飾り、ここから勢いを加速していく。
地鳴りのような大歓声が心地よかった。聖地を大きく揺らしたこん身の一撃。仲間がつくった好機は逃せない。頼れる4番・大山が息詰まる投手戦を打ち破り、岡田監督の通算700勝となる白星を贈った。
「村上が粘って投げてくれていたので。何とか村上のためにどんな形でもと思っていた。良い結果になってよかった」
両軍無得点で迎えた七回。先頭の中野が左中間への二塁打で出塁し、森下は投手の野選で無死一、三塁に。一打先制のチャンスで打席へ。1ボールから梅津が投じた132キロスライダーに反応。力強く引っ張った打球は左前へ。3試合ぶりの打点となる先制の適時打で、均衡を破った。
主砲の一撃に打線が奮起。なおも無死一、二塁では前川が右翼線への適時二塁打で続き、続く佐藤輝も左前2点適時打を放った3者連続タイムリーだ。沸き上がる熱狂の甲子園。一挙4得点で勝機を一気に高めた。
一振りで試合の流れを呼び込んだが、4番として初回の先制機を逃したことに悔しさをにじませる。1死一、三塁での好機。「最低限をやっていたらもっと違う展開だったと思いますし。そこの反省しかない」と、何としても得点がほしい状況で遊ゴロ併殺打に倒れた場面を振り返った。
再昇格以降、打撃の状態は上向きだ。今季は開幕から打撃の状態が上がらず、再調整のため5日に出場選手登録を抹消された。「この時間で新たなことが見つけられるチャンスかもしれないんで。いろんなことを試しながら、いろんなことを見つけていきたい」と、約2週間ファームで調整して21日に再登録。その後の5試合では20打数6安打で打率・300、3打点、1本塁打と結果を残している。
4番の復調と共に低調だった猛虎打線が火を噴いた。ここまで6月は5得点が最高だったが、9得点した5月16日の中日戦(バンテリン)以来の8得点。リードオフマンの近本が不振で欠場したが、打線は長短打織り交ぜた攻撃を見せた。
引き分けを挟んでの連敗を2でストップし、28日からは敵地、神宮でヤクルトとの3連戦を迎える。「まだまだ反省する点も多いので、また準備して明日からやっていきます」と大山。4番の重責を全うするという強い責任感を持ち、この勢いは逃さない。
◆阪神の8得点 5月16日の中日戦(バンテリン)で9得点して以来、32試合ぶり。8得点以上は今季4試合目。なお今季2得点以下はリーグワーストの45試合。巻き返しのきっかけとしたい。