【佐藤義則氏の眼】阪神 風を制するために投手陣は外角低め意識を 先発西勇はお見事!改めて基本の徹底が必要
「ヤクルト6-5阪神」(30日、神宮球場)
阪神が八回に一挙5点を奪われ痛恨の逆転負けを喫した。5-1の八回、桐敷、漆原、岩崎をマウンドへ送ったが、長岡に同点となる3点適時二塁打、代打・山田に勝ち越しの左前適時打を浴びた。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏は「神宮球場ではかなり〝ややこしい〟風が吹いていた」と語り「普段以上に『外角低め』への意識を高める必要がある」と指摘した。
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この試合、神宮球場ではかなり“ややこしい”風が吹いていた。大山が、自分でびっくりするようなホームランを打ったり、佐藤輝その他、各打者の打球がどんどん伸びていったり…。こういう日は、普段以上に「外角低め」への意識を高める必要がある。
逆転された場面に目を向けると、長打警戒の意識はあったと思うが、例えば漆原はフォーク、フォークがボールになって、最後は苦し紛れの直球を長岡に狙い打ちされる結果となった。
前を投げた桐敷もそうだったが、いわゆる“痛いフォアボール”が傷口を広げる展開だ。その理由として、少し変化球に頼りすぎたこと、内角球を増やしすぎたことがあったように見えた。インコースは間違えると長打になりやすい。それが分かっているから、ボール先行となってしまう、という連鎖に陥った感がある。
逆に、西勇は軸をしっかりと外角低めに置いていた。オスナにうまく打たれてソロ本塁打を許したが、それでも右打者の内角を投げる際には「長打を怖がってボールになってしまう」のではなく、しっかり制球してシュートを「見せ」ていた。
そしてカット、スライダーを外に投げ込む。そのオスナやサンタナをうまく二ゴロに打ち取った打席などは、真骨頂だろう。非常にうまく投げていた。
こうなると、結果論ではあるが、西勇にもう1イニング投げさせて、八、九回でリリーフ勝負という考え方でもよかったかも、という思いもよぎる。
もちろん阪神は、この日のような継投が勝ちパターンであり、しっかり結果を残してきているのでどちらが正解、とは言い難い。この敗戦は痛いが、それだけこうした逆転負けが少なかったチームということの裏返しでもある。継投策や、打たれた投手は責められないが、難しいコンディションこそ外角低めへの意識、という基本はいま一度徹底したいところだ。
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