阪神・岡田監督「大変な負けやで」準備不足ブルペンに怒り 植田本塁憤死、三塁コーチ判断に嘆き

 「ヤクルト6-5阪神」(30日、神宮球場)

 悪夢の惨デー…。阪神は4点リードの八回に桐敷、漆原、岩崎が5失点。九回は佐藤輝の二塁打で一走・植田が本塁で憤死してゲームセットとなった。岡田彰布監督(66)はまさかの逆転負けに、ブルペンの準備不足と九回の攻撃での判断を嘆き、「大変な負けやで」と怒りを抑えきれなかった。勝率5割に逆戻りして4位に転落し、次カードは敵地に乗り込んで4差の首位・広島戦。踏ん張りどころを迎えた。

 楽勝ムードが八回に一転した。盤石を誇っていたはずのリリーフ陣が崩壊し、4点リードをひっくり返された。7点差から敗れた5月11日・DeNA戦(横浜)以来となる大逆転負け。悪夢のような結末に、岡田監督は怒気をはらみながら敗戦の持つ意味を強調した。

 「今日の負けはめっちゃくちゃ大きいよ、はっきり言って。簡単な一つの負けちゃうで」

 怒りの矛先はブルペンを担う投手コーチに向いた。5-1の八回に桐敷が登板したが、2死一、二塁から村上に適時打を許して3点差とされた。サンタナを迎えたところで、岡田監督は九回から登板予定だったゲラを前倒しで投入しようとしたが、投球練習をしていたのは漆原だけだった。

 やむなく漆原をマウンドに送ったが、準備不足は明らかだった。2死満塁から長岡に走者一掃の適時二塁打を浴びて瞬く間に同点とされた。2死一、三塁となったところで岩崎まで投入したが、代打・山田に痛恨の勝ち越し打を打たれた。

 「うまいこといかん場合もあるわけやんか、それが準備やんか。一番ええことは絵に描いてるけど、何があるか分からへんやん、ゲームなんか」 常々、最悪を想定する指揮官にとって、ブルペンが準備を怠っていたことが信じられなかった。さらに前日に2イニングを投げた島本に投球練習をさせていたことにも触れ「今日なんか投げさせる予定なんかないピッチャーやんか」と断じた。自身の意図をくみ取れないことに「教育やなあ。そこまで全部(自分が)やらなあかんねんなあ」と嘆いた。

 さらに怒りは収まらなかった。1点を追う九回2死一塁から佐藤輝の左越え二塁打で代走・植田が本塁を突いたが憤死。次打者に2安打2打点の梅野が控えていただけに、「なんでも行けじゃないやろ、状況判断やんか。左(投手)で2本タイムリー打ってるバッターで」と本塁へ突入させた藤本三塁ベースコーチの判断に嘆いた。

 13安打5得点と打線は復調の兆しを見せたが、中継ぎ陣が打ち込まれ投打がかみ合わない。4位に転落し、2日から首位・広島との3連戦を迎える。「こっちで歯車を崩してしまうわけやからな。一つの負けで済まんよ、ほんまに。大変な負けやで」と試合後の会見を締めくくった。虎将の鳴らした警鐘が、現実のものとならないことを誰もが願っている。

 ◆阪神の逆転負け 今季10度目。4点差以上は5月11日・DeNA戦(横浜)で三回までに9-2としながら9-11で敗れて以来2度目。5月31日、6月1日のロッテ戦では2日続けて最終回に追いつかれ延長サヨナラ負けという屈辱も。また5点以上を奪っての敗戦は5月3日、東京ドームでの巨人戦(5-8、※この試合は巨人の先行逃げ切り)、同11日・DeNA戦に続き3度目。

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