阪神・佐藤輝 お目覚め4号&5号 123打席ぶり一発「やっと出たかって感じ」岡田監督にメモリアル星プレゼント

 「広島1-2阪神」(3日、マツダスタジアム)

 123打席ぶりの一発、今季初の1試合2発で勝利を呼んだ。阪神・佐藤輝明内野手(25)が二回に先制4号ソロ、同点の六回に勝ち越し5号ソロを放ち、リーグ戦再開後初のカード勝ち越しに導いた。岡田彰布監督(66)にも藤本定義に並ぶ阪神監督歴代最多の514勝をプレゼント。首位・広島とは2ゲーム差。復活した大砲とともに再進撃といきたい。

 まだ日差しが照りつける右翼席へ、豪快な一撃を届けた。佐藤輝が123打席ぶりの4号先制ソロ。「なかなか出てなかったんで、やっと出たかって感じですね」。待ちに待った一発。本当に長かった。その分、喜びも大きかった。

 二回1死。九里の141キロ内角直球を振り抜いた。きれいな放物線を描いて、白球はグングンと伸びていく。「最近、いったかなというやつが入らないことが多かったので、どうかなと思いましたけど」。疑心暗鬼だったが、手応えはあった。4月21日・中日戦(甲子園)以来のアーチ。三塁ベンチ、虎党が沸いた。

 一時、暗転したのは五回2死の守備。菊池の強烈なゴロを好捕したが、一塁送球がそれた。矢野の同点打につながる悪送球。打って、取り返すしかなかった。直後の六回2死。「エラーした後だったんで、絶対に打つという気持ちで」。集中力を最大限に高めた。

 九里のチェンジアップに泳がされず、コンパクトに左翼へ。「いいスイングができた」。レフトスタンドへスーッと吸い込まれた。右腕をマウンドであぜんとさせ、気持ちよさそうにダイヤモンド一周。昨年5月14日のDeNA戦(甲子園)以来で今季初の1試合2発。岡田監督の阪神通算歴代トップタイの514勝へ導いた。

 どれだけ調子が悪くても、ファンは応援してくれた。2軍降格中も鳴尾浜には佐藤輝の青いタオル、ユニホームが揺れていた。2日はマツダスタジアムの室内で練習。グラウンドまでの動線でも熱い声が飛んだ。足を止めて、一人一人にサイン。「球場ではできる限りやりたいと思ってるんで。うれしいですよね」。ミニサイン会の終了間際には「ホームラン打ってや!」と奮い立たせてくれた。一日遅れたが、きっちりと快音もプレゼントした。

 チームは7月に入って連勝。2位浮上となり、首位の広島にも2ゲーム差まで迫った。気温の上昇に比例するように、佐藤輝も乗ってきた。「どんどん上がってきている。これからもっと大事な時期になってくるので、しっかり打てるように頑張っていきます」。苦しむ顔はもう見たくない。佐藤輝劇場がナインを、虎党を熱くする。

 ◆佐藤輝の1試合複数本塁打 佐藤輝の1試合複数本塁打は今回で6度目。過去5度は①21年5月28日・西武戦=3本②同8月17日・DeNA戦=2本③22年5月15日・DeNA戦=2本④23年4月29日・ヤクルト戦=2本⑤同5月14日・DeNA戦=2本。なお、今季5本塁打はいずれも同点の場面からの一発だった。

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