阪神・野口は昔から芯の強い子だった 左足のけがは暴れん坊将軍の勲章 母・和香子さん手記

 5回、近本の適時打で生還し、ナインに迎えられる野口(撮影・山口登)
 野口のいとこ、叔母らと応援に駆けつけた母・和香子さん(左)
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 「阪神6-5DeNA」(7日、甲子園球場)

 阪神・野口恭佑外野手(23)の母、和香子さん(51)が、親族と一緒に甲子園で観戦し、野口のプロ初安打、初打点を見届けた。プロとして新たな一歩を踏み出した最愛の息子に向けた手記を寄せた。

  ◇  ◇

 恭佑へ

 初ヒット、初打点おめでとう!ここまで来られたのはお世話になった方たちのおかげだね。昇格の前夜、恭佑から「俺、1軍なったけん!」と電話が来た時は本当にびっくりして。家族みんなで大騒ぎ!電話の声で「今度こそはやってやるぞ」という気持ちはすごく感じていました。

 小さい頃を思い返すと、本当にわんぱくすぎる子だった。幼稚園でも体育が大好きで。いつもみんなの前でお手本をしていたね。中学生の時にはドッジボールで雨水がたまっているところに足をすべらせて、体育館の柵に左足をぶつけ、血だらけの大けが。今も残っている左足の傷痕は、暴れん坊将軍の勲章だね(笑)

 昔から芯も強い子だった。中学3年の時は7人しかいない軟式野球チームでやっていたけど、高校は「120人のところでやりたい」と、他の高校からのお誘いも断って、創成館に行くことを決めたね。「3年間応援だけで終わるかもしれないよ」と言っても、「それでも俺は挑戦する。家を出て寮に入る」と決意を曲げずに、一般入学の厳しい道を選んだ。

 九産大でも「社会人には行かない。プロに絶対行きます」と宣言して。高い目標も、負けん気の強さと努力で達成してきたね。高校時代から、人が見ていないところで練習することが多かった。創成館では練習終わり、どこに行ったのかな?と思ったら、友達と、外野裏の人目につかないスペースでひたすら打ち込んでいた。

 九産大の大久保監督から「野口は夜中2時にバット持って練習しにいってるんですよ。防犯カメラに映ってたんですよ」と電話があった時も驚いた。プロに入っても、夜10時ごろに電話したら、「ちょっと待って、ボール拾うから」とか、「ちょっと待って、トレーニング中だからかけ直す」とか言うことが多くて。人知れず打ち込んで、鍛えて、コツコツ努力している姿に感心しました。

 春季キャンプ、オープン戦と1軍を経験した時は「頭がパンクしそうになる」と言っていたね。1軍の壁にぶつかったな、苦しんでるなと思っていました。それでも、「大丈夫だから」と私たちには心配をかけまいと、自分で乗り越えていく姿に成長を感じて。必ずやってくれると信じていたよ。始まったばかりのプロ野球人生。先輩たちの刺激を受けて、先輩たちのようになれるように。そして恭佑の良さは忘れずに頑張れ! 母より

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